井上大仁“唯一”の後悔 1億円でやりたかったこととは

西日本スポーツ

 1日の東京マラソンで26位に敗れて東京五輪男子マラソン代表を逃した井上大仁(MHPS)が一夜明けた2日、東京都内で取材に応じ、今後について改めて白紙を強調した。

 日本新記録を狙った井上は2時間3分台を狙う先頭集団に食らいついたが、32キロ付近で大迫傑(ナイキ)に日本人トップの座を明け渡すとそのまま失速した。「現状でやりたいこととできることはやったので悔いはない」とすっきりした様子。“唯一”の後悔は日本新記録を出せず日本実業団陸上競技連合からの報奨金1億円を獲得できなかったことで「実家のリフォームができれば良かったんですけど…」と苦笑いを浮かべた。

 レース前は東京五輪の出場権より世界の強豪に挑む意欲の方を強調していたが「こうしてみると終わったんだなと思った。意識をしていないようにしていたけど、五輪を狙う気持ちがあったんだ、と」と寂しさも。1万メートルの日本選手権(5月・国立競技場)の出場資格を持っており、トラックで東京五輪を目指す道も残されているが「体は走れる状態かもしれないけど、MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)の時とは別の意味で、先を考えるような感じではなくなってしまった」と心境を語る。昨年9月の東京五輪代表選考会、MGCでは緊張から力を出し切れずに完走者で最下位の27位。ショックで先を考えられなくなっていたが、今回は「やることは分かっているけど、先走って空回ったりしないように。落ち着いて準備を整えていければ」と当面休養する考えを明かした。

 ただしマラソンで世界に挑む姿勢に変わりはない。先頭集団に食らいついた攻めの走りを日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーから「井上君がいなかったら日本記録は出なかった。大迫君はチャレンジした井上君に感謝をしないといけない」と絶賛されたが、井上は「昨日のレースは後半失速して(2時間)9分かかっただけ。付加価値をつけたら満足してしまい、先はない」と戒める。

 東京マラソンに出場した日本勢は2人が2時間6分台、7人が7分台を出した。「戦国時代の幕開けだけど、それでもまだ(世界で勝負するには)足りない。みんなで底上げする先駆者になるというスタンスを持ってきた身としては負けていられない」と対抗心に火が付いた井上。「次は同じレースをしてもっとついていけるように頑張りたい」とあくまで攻めの走りを貫く意気込みだ。

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