駆けるバレンティンの姿に、思い出す城島氏の言葉

西日本スポーツ 石田 泰隆

 ◆タカ番記者コラム「好球筆打」

 早いもので、1カ月がたとうとしている。城島球団会長付特別アドバイザーがチームを“去って”からだ。今春キャンプで15年ぶりにホークス復帰。参加したキャンプ第2クールまでは連日のように各マスコミをにぎわせていた。「城島フィーバー」と言っても過言ではない。あの盛り上がりは本当にすさまじかった。

 しかし、チームより一足早くキャンプを打ち上げると、その後は現場に顔を出してないこともあり、どこか忘れ去られた存在になっていたように思う。選手や首脳陣、チーム関係者からも同氏の名を聞くことはパタリとなくなっていた。

 では、なぜ急に城島アドバイザーの名を持ちだしたのか。それはこの日の試合でバレンティンの走塁を見て、宮崎キャンプ中に同氏が発した言葉を思い出したからだ。第1クール2日目のこと。バレンティンの活躍度を問われた同氏は、こう切り出していた。

 「どこの国に行こうが、その国の文化を学んで、野球を学んで、それを取り入れようとする気持ちがある選手は、成功する」

 バレンティンとは米メジャーのマリナーズ時代、ともにプレーした間柄でもある。日本での9シーズンで288本塁打を記録した助っ人の能力を認めるからこそ、まずは敬意を示した。

 そして、こう続けた。「(ホークスには)全力疾走や守備をしっかりやるというのを選手が守っているいい伝統がある。おのずとバレンティンもしなきゃいけない」。この言葉に力がこもっていたからこそ、強く、深く記憶に残っていた。

 その記憶を呼び覚ましてくれるような、誰をも驚かせるほどの全力疾走だった。6回の第3打席。自ら放った強烈な打球が左中間に転がったことを確認すると、減速することなく一塁を蹴り、最後はそのスピードを生かしたスライディングで適時二塁打とした。

 古巣相手に張り切ったわけじゃないだろう。工藤監督も助っ人砲の心意気を評価していた。「(チームの)意図を酌んでやってくれている。しっかり足でも見せてくれるのは、チームにとっても、若い人にとっても大きいし、ありがたい」。城島アドバイザーが誇る伝統も、しっかり受け継がれているということだろう。 (石田泰隆)

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