黄金ルーキー大場翔太が衝撃デビュー「どえらいことを」王監督/復刻

西日本スポーツ

 ◆日めくりソフトバンク 誕生15周年

 ソフトバンク球団は今年15周年。球団がソフトバンクとなった2005年からの出来事を、過去の西日本スポーツ掲載記事で振り返ります。

 2008年3月23日は6球団競合のドラフト1位、大注目のルーキー右腕が衝撃のデビューを飾りました(年齢などは当時)。

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 王ホークスの黄金ルーキー、大場翔太投手(22)が超ド派手なプロデビューを飾った。MAX150キロの快速球で楽天打線を8安打6三振にシャットアウト。2001年の中村隼人投手(日本ハム)以来7年ぶり、史上28人目のプロ初登板初完封の快挙を成し遂げた。無四球での達成はパ・リーグ史上初。とんでもないスーパー右腕の出現で、2年ぶり開幕3連勝の満点発進だ。

 「平成の鉄腕」の看板に偽りはなかった。ビュンビュンの133球で完成させた驚異の完封ショー。最後の投ゴロを自らグラブではたき落とすと、素手で大事につかんで一塁へ。「ホッとしたっていうか…。ホントに勝てて良かった」。新人の初登板完封は史上22人目、無四球完封はパ・リーグ初。とてつもない仕事を成し遂げた黄金ルーキー、待ち受けた王監督がその右腕を誇らしげに高く掲げてみせた。

 タフネス右腕の真骨頂だ。球数が100球を超えた7回だった。1死一、二塁で昨年まで2年連続得点圏打率リーグトップの高須を打席に迎える。「ピンチになったら一番自信のある直球で勝負しようと決めていました」。渾身の直球勝負で一飛。その後、2死満塁としたが、最も警戒していた渡辺直も144キロで右飛に仕留めた。この日の最速は150キロ。最後まで球威は衰えず、6三振中5個を直球で奪った。

 プロでの歩みは必ずしも順調ではなかった。オープン戦は3試合で防御率9・22。15日の横浜戦(横浜)では5回8失点を喫し、登板後のロッカー室で悔し涙を流した。その後、川崎に「試合で泣いたことがありますか」と胸の内を明かしもした。川崎の「反省して次にいかせばいい」とのアドバイスを胸に刻み、東洋大時代の投球映像をチェック、杉本投手コーチとは体重移動の修正に取り組んだ。

 「正直、いろいろ悩みました」。横浜戦後の中6日の間に3度もブルペン入り。鉄腕流の調整で初舞台に備えた。「緊張はあったけど自分なりにやることはやった。だから、不安はなくなっていました」。いい意味で開き直れた。登板直前のブルペンでは、試合開始の時間を忘れるほど投球練習に集中できた。

 昨秋の大学・社会人ドラフトで6球団が競合した逸材の快投に、王監督は「いやー、どえらいことをやってくれたよ」と声を弾ませた。上機嫌で球場を後にする際も「(ドラフトで)引き当てたときの興奮を思い出したよ」と胸の高鳴りを隠さなかった。

 柴原、本間のベテラン勢のサヨナラ打にルーキーの完封劇。「今季は力が接近しているし、特に楽天は乗っている。開幕から気合いを入れたかったからね」。王監督は開幕3連勝スタートに自信を見せた。初体験となったヤフードームのお立ち台でニューヒーローが誓った。「みなさんの前でいつも勝てるように頑張ります」。いきなりファンの度肝を抜いた新人右腕が、チームに5年ぶりのV奪回の予感を運んできた。(向吉三郎)

◆初登板初完封 大場が史上28人目となったが、新人投手(外国人投手を除く)としては同22人目。ホークスでは57年の木村保(南海)が近鉄戦で記録して以来51年ぶりの快挙だ。大場の無四球完封はパ・リーグ史上初。 

(2008年3月24日付、西日本スポーツより)

※大場はこの年、4月5日の敵地ロッテ戦でも7者連続を含む球団新記録1試合16奪三振で2度目の無四球完封。ルーキーイヤーを華々しく滑り出したが、その後は不安定な投球内容が続き、シーズン成績は3勝5敗、防御率5・42だった。

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