プロ野球&Jリーグ、問われる社会的責任 感染者急増でトーン一変

西日本スポーツ 松田 達也

■選手感染時の対応策作成へ

 日本野球機構(NPB)とJリーグが連携して設けた「新型コロナウイルス対策連絡会議」は3日、東京都内で第5回会議を開き、専門家チームは再び公式戦開催の延期を提言した。これまで開催を前提とした対策への提案が続いたが、国内での感染者急増を受けた今回は「社会的責任」の言葉で強く要請。開催見直しを迫られるような厳しい内容で、スポーツ界は窮地に立たされた。

 感染拡大に歯止めがかからない現状に厳しい意見が相次いだ。会見で、座長の賀来満夫・東北医科薬科大特任教授は「早く開催してほしいと望んでいたが、専門家としてはできるだけ開催の時期を延ばしてもらいたいとお伝えしたい」と険しい表情で話した。

 3月3日の第1回会議から、選手の日常の過ごし方、観客を入れての実施に向けた方策やファンの応援のあり方など、具体的な提案が続いた。しかし、同月下旬に五輪延期が決まったころから国内の感染者が急増。プロ野球、Jリーグともに現役選手の陽性反応が相次いだことで、トーンが一変した形となった。

 賀来教授は「今回、関西地区で(プロ野球、Jリーグともに)選手の発症が確認されたが、今後は全国どこでも発症する可能性はあると思っている」と説明。警戒感を強め、引き続きチーム内で感染者が増えた場合の対応を懸念した。

 プロ野球の開幕、Jリーグ再開ともに日程は不透明なままだが、今後試合が始まった後も含め選手が感染する事態も予想される。愛知医科大の三鴨広繁教授は「選手の健康管理やサーモメーターなどの物資などは球団、クラブともに準備してくれた。4月下旬には完了すると思う」とハード面で態勢が整いつつあることを認めたが、いつ誰が感染するか分からない状況だけに時間的猶予はない。Jリーグの村井チェアマンは「機動的に判断する基準づくりが必要」と強調し、NPBの斉藤コミッショナーも「専門家の意見も聞いてたたき台をつくりたい」と対処を急ぐ構えだ。

 三鴨教授は「選手には身体に負担をかけることになるが、日本を代表する二つのスポーツ界は社会に対しての説明責任も果たしながらやらないといけない」とも強調。終息が見通せない以上、スポーツ文化を守るだけの段階は終わったことを示唆するとともに、日本が取り組む大命題と向き合うことを求めた。 (松田達也)

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