ファーム施設も利用NG ソフトバンクの若手は今…肩落とすファンの姿も

西日本スポーツ

 筑後も閑散…。新型コロナウイルス感染拡大に伴い多くの球団が活動を休止している中、通常だと2軍戦や練習が行われる際に多くのファンが訪れる福岡県筑後市の2軍施設周辺はどんな状況なのか。本紙ホークス担当記者で主に2軍や若手選手を取材している長浜幸治(34)が、5日の現地の様子をお届けする。

 ファーム施設内にある選手寮では若手選手約40人が生活している。現在は基本的に外出禁止で、コンビニや病院へ行くにも許可が必要だ。

 午後3時すぎ、Tシャツ、短パン姿の野村、増田、渡辺陸、古沢の4選手が近隣の歩道をランニングする姿が見えた。球団施設を使用した自主練習はできない状況だが、ランニングや自室での素振りなどは認められているという。

 3月31日から続くチームの活動休止は8日まで延長となり、9日以降の練習についても現時点では未定だ。選手の不安や戸惑いも大きいに違いないが、そんな感情を振り払うかのように歩道を黙々と走り込む姿を見た時、今できることを必死に模索しようとする思いが伝わってきた。

 筑後のファーム施設前には午前10時に到着していた。消毒液をポケットに忍ばせ、マスク姿でポツンと立つ。いつもなら2軍、3軍、リハビリ組の選手たちがアップを始める時間帯だが、筑後のファーム施設は静寂に包まれていた。屋内練習場で汗を流す選手を撮影しようと、大勢のファンが窓越しにカメラを構えるいつもの姿はない。当たり前のように耳にしていた打撃練習での心地よい打球音やノックを受ける際に張り上げられる大声は聞こえてこない。

 球場から徒歩10分ほどの九州新幹線の筑後船小屋駅へ歩いてみた。本来ならウエスタン・リーグは3月13日に開幕する予定だった。週末のゲームともなれば当日券は売り切れ、収容3113人のタマスタ筑後が満員になることも珍しくない。試合開催日には観戦客でにぎわう駅構内も、訪れた時は駅員と売店の店員の2人しか目にしなかった。

 ファーム施設に戻ると、チケット売り場に女性が立っていたので少し距離を取って話を聞いてみると、5月1日に予定されていた2軍戦チケットを払い戻しに来たという。「3月末に買ったんですけど…。本当は2軍開幕戦も見に来る予定だったんですよ」。友人と年に数回、球場で観戦するという福岡県久留米市の40代女性だ。プロ野球のない日々に「こればかりは仕方がない」と肩を落としつつ、「野球を楽しめる日常が当たり前じゃないと感じている。開幕したらこれまでにない盛り上がり方になると思うし、ファンをたくさん盛り上げてほしい」と“きたる日”を待ち望んでいた。

 午前中は寮外に出る選手の姿はほとんどなかった。昼すぎ、熊本市の夫婦が子ども3人を遊ばせようとファーム施設を訪れた。第3子で2歳の長男はホークスの試合中継をいつもかじりつくように見ているという。30代の母親は「ホークスは生活の一部なんです。やっとシーズンが始まるというタイミングで開幕が延期。私も含め家族で野球が見られないことがストレスで…」と無邪気にボール遊びをするわが子に目を向けていた。「練習が再開した時に、その様子を何かしらの形で見られれば少しは気が晴れるかも」とささやかな願いも口にしていた。

PR

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング

PR

注目のテーマ