新設女子ラグビー部いきなり活動休止 それでも前へ「苦しい時に生まれたので人に勇気を」

西日本スポーツ 前田 泰子

 日本経大に新設された女子ラグビー部が3月にスタートを切った。部員は国内の初心者や経験者に、ニュージーランド人留学生などさまざまなレベルの総勢9人。現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響で活動休止中ながら、佐賀工高、関東学院大、コカ・コーラウエスト(現コカ・コーラ)で活躍した元日本代表SOの淵上宗志監督(42)の下、波乱の船出から荒波を乗り越え、創部1年目での全国大会出場を目指す。

 3月23日に地元の太宰府天満宮で行った必勝祈願。世界に広がるコロナ禍の少しでも早い終息の願いも込めた。現在は学内全ての部活動休止が決定。練習できない日々が続く。「苦しい時に生まれたチームなので、人に勇気を与えられるようなチームになろうと選手には話した。今の状況を理解してくれている」。淵上監督は予想もしなかったスタート直後の苦難にも前を向く。

 競技人口が少ない日本の女子ラグビー。「女子選手の受け皿にしたい」と創部され、淵上監督が国内外を視察した上で熱い志を持つ部員がそろった。2人のニュージーランド人留学生はニュージーランドとトンガの7人制代表経験がある。他にもラグビー経験者だけではなく、高校でサッカーをしていた初心者など個々の実力はさまざまだ。

 宮崎県の延岡星雲高から入学した妹尾安南は西日本選抜入りし高校時代に2度花園でプレーした。将来、海外に留学したいという夢があり「ニュージーランドの選手が入ると聞いて英語もできて、レベルの高いラグビーもできると思った」と入学の動機を明かす。

 ニュージーランド人の2人は大学でラグビーができる日本の環境にひかれて入学した。「スキルの差は(日本人選手と)それほどないがポテンシャルが違う」と淵上監督は期待する。2人は新型コロナウイルスの流行で来日に不安もあったというが、早くもチームに溶け込んでいる。

 選手が9人いることから、まずは7人制での試合出場を目指す。新型コロナウイルス感染拡大の影響で不透明となってはきているが、7月に開催が予定されている国内サーキット大会である「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ」の入れ替え戦出場を見据える。「夏を越えたら合同チームで15人制の大会に出場したい。全国大会まで行けたら」と淵上監督は創部1年目から全国大会出場を思い描く。

 チームの愛称は「アマテラス」。由来は太陽の神様である天照大神(あまてらすおおみかみ)だ。スポーツ界だけでなく社会に少しでも明るい光を届けられるよう、9人がワンチームとなって進んでいく。 (前田泰子)

■甲斐、W杯に魅せられ転向

 チームで唯一のラグビー初心者の甲斐早智子は中学時代はバスケットボール、高校時代はサッカーの経験者だ。大学進学を考えていた時期に知人を通じて淵上監督から誘いを受けた。昨秋のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の盛り上がりもあり、「W杯を見てラグビーに興味を持った」と転向を決めた。パスやタックルの練習を始めたばかりだが、淵上監督は「チームの中でフィットネスは一番あるしサイズもあるので面白い。女子は大学から始めても十分やれる」と期待する。甲斐も「来年にはメンバーに入りたい」と意欲を燃やしている。

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