夢舞台奪われた高校生「悲しい」 柔剣道の三大大会残るは1大会だけ

西日本スポーツ

 7月21~29日に福岡市のマリンメッセ福岡で開催予定だった2020(令和2)年度金鷲旗高校柔道大会、玉竜旗高校剣道大会が新型コロナウイルスコロの感染拡大を受けて中止となった。同市内で10日に行われた大会合同実務者会議で決まった。

 昨年は金鷲旗に男女延べ482校、玉竜旗には同904校が参加。大会の規模、十分な換気が難しい会場の構造、濃厚接触が避けられない競技の特性、授業や部活動ができない現状を考慮し、開催を断念した。抜き勝負で大旗を争い、五輪メダリストや日本のトップ選手を輩出してきた両大会は1916年に九州学生武道大会として始まり、第2次大戦などによる中断を除くと中止は初となった。

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 柔剣道で高校三大大会の一つと称される金鷲旗と玉竜旗の中止を、各校の選手や指導者は複雑な思いで受け止めた。同じ三大大会の全国高校柔道選手権や全国高校剣道選抜大会は既に中止に。関係者は残る全国総体(インターハイ)の開催を願った。


 金鷲旗男子で昨年準優勝した大牟田(福岡)の石本慎太郎主将(3年)は「オープン参加の金鷲旗で優勝してこそ本当に日本一という思いがあった。昨年の決勝で負けた悔しさもやり返せず、残念というか悔しい」。全日本柔道連盟(全柔連)は高校生以下の練習を自粛するよう通達。大牟田も3月下旬から練習していないが、石本主将は「インターハイが開催されるのを願い、各自でトレーニングをして準備するしかない。早く感染拡大が終息し、柔道がしたい」と訴える。


 金鷲旗男子2連覇中の国士舘(東京)を指導する岩渕公一監督は「もう1カ月ぐらい(結論を)待ってもよかったのでは」と話した。同女子で昨年準優勝だった敬愛(福岡)の大本真琴主将(3年)は「金鷲旗がなくなったのは悲しい。インターハイに向け、必死に頑張るだけ」と前を向く。

 玉竜旗男子で最多タイの優勝9度を誇る九州学院(熊本)の米田敏朗監督は「玉竜旗は一番憧れの大会。夢の一つがなくなった子どもたちをどう手助けすればいいのか…」と選手の気持ちを代弁。2016年の熊本地震で稽古ができなかった時期も経験しているだけに「震災と同じで誰が悪いわけでもない。誰の責任でもないから苦しい」と無念さをにじませた。


 福岡県高等学校体育連盟は県大会の延期を発表している。5月6日までとなっている緊急事態宣言の期間が延びれば開催も危うく、全国総体の代表校を選手の自力で決められない可能性もある。それでも昨年の玉竜旗女子決勝で4連覇を決める面を打ち込んだ中村学園女子(福岡)の笠日向子主将(3年)は「今回の件で仲間と一緒に試合ができることのありがたみが改めて分かった。状況は全国どこも同じ。インターハイに向けて切り替えていく」と気持ちの切り替えに努めた。 (伊藤瀬里加、末継智章)

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