ソフトバンク上林、新たな見本は大谷とガッツ あの人気アニメでも勉強

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 福岡ソフトバンクの上林誠知外野手(24)は21日、ペイペイドームでの自主練習後のオンライン取材に応じ、外出自粛が続く中、自宅で米大リーグ・エンゼルス大谷翔平らの打撃フォーム動画を参考に改良を加えていることを明かした。いつか来る開幕を信じ、気持ちを奮い立たせるアイテムには人気アニメ「キングダム」を挙げ、修羅場をくぐり抜けて飛躍する主人公に昨季苦しんだ自らを重ねて逆境に打ち勝つヒントを吸収。募る鬱憤(うっぷん)をグラウンドで晴らし、球界の「キング」をつかみ取る。

■熾烈外野争い

 新型コロナウイルスの影響で、開幕時期は見通せない状況が続く。「試合の結果でしか、今までの思いは晴らせない。その歯がゆさはある」。昨季苦しんだ上林は試合で暴れることを渇望している。「ずっと野球のことを考えているし、常にうまくなりたいという気持ちで生活している」。片時の息抜きさえも、野球につなげる。

 コロナ禍で今までは目にすることがなかったアニメ鑑賞だ。はまったのが紀元前の中国、春秋戦国時代を舞台とした「キングダム」。身分の低い立場から将軍になることを夢見ながら、乱世を生き抜く主人公の姿に共感した。「負けず嫌い。悔しい思いをして進化していく。見習わないとな。自分に重ね合わせて見ている。意外とアニメでも勉強になります」。鬱屈(うっくつ)しがちな気持ちを奮い立たせるアイテムにしている。

 昨季は死球を受けた右手骨折の影響もあり、99試合で打率1割9分4厘、11本塁打、31打点に終わった。奮起を期し、昨年末は単身で米ロサンゼルスに乗り込み、年明けも鹿児島県鹿屋市で一人、トレーニングに打ち込んだ。「自分を知る大きなチャンス。もう一度、自主トレ、キャンプを行うつもりでやる」。その時の経験は今も、生きる。

 キャンプ中はレッズ秋山を理想像に掲げていたが、自身の打撃フォームを分析し、新たな見本にも出会った。「大谷さんや小笠原さん(現日本ハムコーチ)は、体の使い方が近い選手。筋力の差はあるけど。今まで、右足で打つ感覚だったけど、それだと右側の腰に負担がかかっていた。左足の前にポイントを近づけて、真っすぐは体の近くで捉えた方がいい」

 自宅でバットを握りしめながら、現代野球最高峰の打撃技術を持つ二刀流と、トレードマークのフルスイングで生涯打率3割1分と打ち続けたバットマンの映像にくぎ付けになりながら改良を探っている。

 外野のレギュラー争いは熾烈(しれつ)だ。バレンティンの加入。右肘手術から順調に回復する柳田。実力者の中村晃もいる。再び定位置をつかみ取るため、ふつふつと湧き上がる思いを抑えることはしない。「絶対、時は来ると信じて。一人一人レベルアップすれば、チームも強くなると思う」。一度は苦杯をなめさせられた若武者は、猛者がひしめく球界で名をはせるためバットを研ぐ。 (鎌田真一郎)

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