渋野日向子が親近感持つ無名19歳、夢は「渋渋コンビ」で最終日最終組ラウンド

西日本スポーツ 西口 憲一

■昨秋プロテスト合格 福岡・沖学園高出身19歳

 次の「しぶこ」は決まり! 昨秋のプロテストに一発合格した女子ゴルフのルーキー渋沢莉絵留(19)=フリー=が「ネクスト渋野」を目指す。海外メジャーを含む日米通算5勝の渋野日向子(21)から“渋つながり”でサプライズエールを送られた注目株。福岡・沖学園高出身で2000年度生まれの「ミレニアム世代」の一人だ。新型コロナウイルスの感染拡大による国内外のツアー休止が続く中でも、心技体の準備を怠らずにプロデビューを待っている。

 ちょっとしたハプニングから縁は生まれた。当時アマチュアの渋沢が初日2位タイで脚光を浴びた昨夏の大東建託いい部屋ネット・レディース。渋野が歴史的優勝を飾ったAIG全英女子オープンと同時期の開催。世が「渋野フィーバー」となる中、渋沢のプレー中にテレビ局のアナウンサーが「さあ、渋野莉絵留のパッティングです!」と、つい名前を言い間違えた。

 「私としてはむしろ光栄なぐらいなんですが、その後も練習場などでいろんな方から『優勝、良かったね!』とか『最近、活躍しているね』と、声を掛けられて…」

■インスタで投稿

 渋野と面識がない渋沢は勇気を振り絞って、渋野のインスタグラムに「全英おめでとうございます」と投稿。名前を間違われていることを謝ったという。すると、こんなサプライズの返信があった。

 「名前に『渋』が付く人はなかなかおらんけん、勝手に親近感が湧いています。渋渋(しぶしぶ)コンビで頑張ろうね」

 予想もしていなかったエールまで送られて、感謝と喜びの気持ちに包まれた。「渋野さんこそ注目されて大変なのに、心の広さを感じました」。その後に行われたプロテストを一発で突破するパワーの原動力になった。

■ドローを練習中

 昨年末のQT(予選会)で85位だった渋沢は今季、下部のステップアップツアーが主戦場となる。「渋野さんも河本結さんもステップから勝ち上がり、レギュラーで実績を残して活躍の場を世界に広げられている。私にとって理想の道」とうなずく。自身の特長については「ドライバーもショットもあまり曲がらない」と説明。強い球で飛距離を稼げるように、現在はドロー系のショットにも取り組んでいる。

■趣味で気分転換

 大きな希望を持って2020年を迎えながら、社会全体が「非常事態」となり、ツアーも開幕の見通しが立たない。現在は週平均2回の練習ラウンドで実戦感覚を維持しながら、生活拠点の群馬県の実家では練習の合間に趣味の習字やウクレレ、電子ピアノなどで気分転換を図っている。

 戸籍の正式な表記は「澁澤莉絵留」で計63画。「莉絵留(りえる)」の名前には「悟りを得る」という意味が込められている。当初は、名前が覚えられやすいように登録名を平仮名にすることも検討した。「でも、LPGA(日本女子プロゴルフ協会)の会員の中で一番多い画数だと聞いて、何でも『一番』はいいかなと。名前の読み方や由来などきちんと知っていただきたいので」と端正な顔をほころばせる。

 「渋野さんはボギーをたたいても気持ちをコントロールしてバーディーで取り返す強さがある。見習いたいし、私もはい上がって、いつか、渋野さんと最終日最終組で回りたい」。19歳の真っすぐな夢。運命の人との共演を心に描いている。 (西口憲一)

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