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秋山翔吾が語る米国での今「英会話もやっているけど使う機会がない」家族と離れ料理、洗濯も

西日本スポーツ 松田 達也

 米大リーグレッズの秋山翔吾外野手(32)がオンラインでの本紙のインタビューに応じ、新型コロナウイルス感染拡大で延期となった開幕を待ちながら過ごす葛藤を明かした。ロサンゼルスを拠点とする日常生活や米国の現状を語り、先の見えない移籍1年目の難しい状況を強い気持ちで乗り越える決意を示した。 (聞き手、構成=松田達也)

 -本拠地シンシナティを離れて、ロサンゼルスで通訳とともに過ごしている。

 「朝起きて、平日は午前中にトレーニング。それ以外はゆっくりしている。今できるのはキャッチボールとティー打撃くらい。打つことは、軽くでも毎日やっている。外出は、ほとんどしてない」

 -感覚を維持するのは難しいのでは。

 「まだ始まらないので焦ることもない。野球で結果を出したいという不安はいつでもある。今回(の感染拡大)は初めてのことで、誰かが経験しているなら参考にできるけど、今は誰も経験したことがないことが起きている。仕方がないし、練習ができるだけでもありがたい」

 -コロナ禍の米国の状況は。

 「先週(4月半ばすぎ)くらいから交通量は増えたかな。どこに向かっているのかは分からないけど『もう大丈夫なんじゃないか』と思い始めている人がいるのかな。買い物はいつも困っている人がいるというか、買い物したい人はたくさんいるから」

 -経済活動の再開を求めるデモなども起こっているようだが。

 「アメリカの方って行動を起こしたいというか、起こすことにためらわないのかな。自分の意見をしっかり出すというか。もちろん、デモなどを身近で体験しているわけではない。そういうニュースが増えているのを見るだけ。感染者は増えているようだけど、一時より落ち着いたという認識なんでしょうか」

 -日本の野球も開幕できない状況だ。

 「どっちにいても、試合ができない状況に変わりはないので日本のことばかりを気にしても仕方がない。アメリカは土地が広いのもあるけど、いろんな場所に自分たちで練習できる施設、環境が整っている。例えば(感染が広がる)ニューヨークのチームの選手も、それ以外の場所で練習しているようだし」

 -こういう状況だからこそ感じることもあるのでは。

 「結果に縛られずに練習するのは気が楽ではあるけど…」

 -例年とは過ごし方が違う。

 「まだ(開幕時期を)何も言われていないけど、例えば開幕まで3週間前後の準備期間が与えられるなら、今は休めると考えることもできる。(MLBでは)この時期は何ができるわけじゃないというか、オフの延長と考える選手が多いのかな。ただ、外国人は体が仕上がるのが早い印象。自分は動かしておかないと不安だから」

 -選手の中には、モチベーションが難しい、という声もある。

 「自分を律しながらやるのは難しい。再開の時期が伝えられ、準備して変わるというのも確かにきつい。ただ、どう目標を立てるのか分かっていないと。野球は仕事だから」

 -この状況を乗り越えるには。

 「置かれた状況はみな同じ。何があっても準備するしかないし、自分はなるべくタフな選手でいたい」

 -野球以外の生活は。

 「今は家族とも離れていて、先が見えないが、自主トレ期間のようなもの。料理や洗濯、掃除もやらなきゃいけないとなったらやる。食事はとりあえず肉を焼くだけ。変わったことはできないし、食べられたらいい。日本系のスーパーがあるので、米もあるし、何とかなっている」

 -学生時代のような感覚に近いのか。

 「当時は食事も出ていたし、勉強もやっていた。今の方がよっぽど暇。英会話もやっているけど、使う機会がない。学んだフレーズが使えるかどうかは、実践でやってみないと」

 -開幕を待っているのは、日米問わず選手やファンの共通の思い。

 「消えていた電気がつくみたいに、何かが再開するというのは明るい話題になると思う。選手も気持ちが上がるだろうし。ただ、コロナの脅威は消えない。野球が必要なのかというか、それどころではないのかな、という思いもある」

 -それでも開幕への準備は欠かせない。

 「どういう状況でもやるのがプロ。今年結果が出なかったとしても(周囲に)『コロナの影響でいろいろあったから仕方ないよね』とは言わせたくない。一番嫌だと思っている。こんな時でも結果が出せるのが強い選手。後で振り返って『何とかやれたんだよ、あの年は』と言いたい。言い訳はしたくない。結果を出すだけ」

 -予想もしなかった1年目となった。

 「自分がやる、と決めて来た環境がこの場所なので。強い選手だな、と思われるようにやるだけ」

 ◆秋山翔吾(あきやま・しょうご)1988年4月16日生まれ。神奈川県出身。横浜創学館高、八戸大を経て、ドラフト3位で2011年に西武入団。15年にプロ野球記録のシーズン216安打を達成。最多安打とベストナインは4度、ゴールデングラブ賞は6度獲得。右投げ左打ち。184センチ、85キロ。

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