コロナ禍の高校生に救済案 冬の“インターハイ”計画「クリスマスプレゼントに」 

西日本スポーツ

 新型コロナウイルスの感染拡大で今夏の全国高校総体(インターハイ)が史上初めて中止となったことを受け、剣道で全国の強豪校を集めた大会が計画されている。全国の指導者たちが共催する形で、感染の終息を前提に12月25~27日に那覇市の沖縄県立武道館で行われる予定だ。

 昨年の全国総体男子団体を制した熊本・九州学院の米田敏朗監督(51)が5月1日に、3月の全国選抜大会に出場予定だった男女各64校に実施要項案を送った。剣道は全国選抜大会、7月の玉竜旗と合わせて主要三大大会が全て中止。目標を失った選手たちの無念を少しでも晴らそうと、指導者たちが真っ先に立ち上がった。

 集大成の大会が消えた高校剣士に晴れ舞台を用意する動きだ。題して「全国高等学校『高校生想代(そうたい)』剣道友情大会」。米田監督は「想いを代えるという大会。区切りをつけて次のステージに進んでほしい」と「総体」にかけた「想代」に込めた願いを説明した。大会は5人制団体戦で、出場資格は原則3年生にするという。

 全国選抜大会、玉竜旗に続き、4月26日にインターハイも中止が発表された。「子どもたちのために何かしなければ。戦う場を与えたい」。インターハイ中止の可能性が高まっていた4月中旬以降、米田監督が昨年の女子団体を制した福岡・中村学園女子の岩城規彦監督ら全国各地の指導者たちに呼び掛け、計画を立てた。設定したのは冬休みの12月末。感染拡大の終息が条件ながら審判の手配を進め、試合以外にも思い出に残る企画を考えている。

 全国高校体育連盟(高体連)はインターハイ中止にあたり、安全に部活動が実施できる状況になった場合には最終学年の生徒が成果を発表できる場や大会を設けることを各都道府県高体連へ要請した。指導者として一番近いところで選手と接してきた米田監督は「組織に頼らず、個々の思いを結集させたい」と真っ先に動くことを決断。手づくりの大会を思いついた。

 九州学院は現在休校中で、寮生は実家に帰省している。2016年には熊本地震で稽古ができない時期を経験したが、玉竜旗やインターハイといった目標までは失われなかった。米田監督は「目標を絶たれるという試練はまた別の苦しさがある。指導者として、一番大事な時期に顔を合わせて何かをしてあげられないジレンマがある。誰のせいでもないから苦しい」と複雑な胸の内を明かす。

 せめてもの思いでつくる大会には全力で競技と向き合ってきた剣士たちへの愛情が詰まっている。「クリスマスプレゼントになれば」。開催されれば、インターハイが行われるはずだった真夏にも負けないほど熱い冬となりそうだ。(伊藤瀬里加)

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