練習自粛のチームが連係プレーでマスク作り ハンド女子代表の要、32歳の今

西日本スポーツ

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、東京五輪に出場予定の各競技で代表活動が停止している。開催国枠で11大会ぶりに五輪に出場するハンドボール女子の日本代表「おりひめジャパン」も、合宿や海外遠征が中止となった。昨年の世界選手権で代表主将を務めた永田しおり(32)=オムロン=が本紙のオンライン取材に応じ、熊本県山鹿市を本拠地とするチームの現状や延期が決まった五輪に対する思いを語った。(伊藤瀬里加)

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 多数の日本代表を擁するオムロンの選手たちは現在、熊本県山鹿市内の寮で社員向けのマスクを作製している。全体練習は自粛中で、職場も在宅勤務が中心。永田は「うちの選手たちは在宅だとできない仕事が多い。何かやれることはないかと思って」と説明する。

 社員から不要になった布を集め、裁断係、ミシン係、アイロン係など工程を分担。各自が得意な作業を担当して作製している。永田は裁断係を担当。「得意、不得意があるけど、みんな頑張ってます。チームプレーですね」。完成したマスクは周囲にも好評という。

 本来なら永田は4月中旬から日本代表合宿に参加予定だった。寮併設の練習場で体は動かせるが、大多数のアスリートと同様に今後の見通しは立っていない。トレーニングは3グループに分かれ、消毒を徹底した上での個人練習や、1人でのランニングに限られる。団体球技には不可欠なチーム練習ができない。特に、永田のポジションは体を張って相手の攻撃を止める守備の要。「こんなに接触(プレー)をしない時期はなかったので、不安」と明かす。

 ハンドボール女子の日本代表は開催国枠で11大会ぶりの五輪出場を決めている。昨年11~12月に熊本であった世界選手権では、大会直前に負傷離脱した原希美(三重バイオレットアイリス)に代わって永田が主将を務め、24チーム参加となった1997年以降では最高の10位に導いた。

 年明けには約2カ月、強豪国のデンマークに渡り、現地のクラブチームの練習に参加。帰国後、五輪に向けた調整の最終段階で1年延期が決まった。「世界の状況から延期か中止になる」と覚悟はしていた。「中止じゃなくてよかった。(32歳の)年齢のこともあるので、2年となったら『うーん』と思ったかもしれない。1年であれば、プラスに捉えられる」

 東京五輪を自身の「集大成」と位置づけ、メダル獲得を目標に掲げる。個人練習では攻撃力アップのため、海外で学んだ新たな軌道のシュートの習得に励む。レベルアップを図るのはプレーにとどまらない。デンマーク出身で、日本代表を率いるウルリック・キルケリー監督とのコミュニケーションをより円滑にするため、英語力アップにも挑戦。過去に購入しただけで使わなかった数々の教材を引っ張り出した。

 熊本での世界選手権は日本が2点差で惜敗したスペインが最終的に銀メダルを獲得。「私たちにもチャンスはあると思った。けが人も復帰できるし、1年後はさらにパワーアップした代表になる」。現実を受け止めつつ、成長への道を模索していく。

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