球音なきGW ソフトバンク工藤監督が汗だくになって伝えたかったこと

西日本スポーツ 倉成 孝史

 福岡ソフトバンクの工藤公康監督(57)が5日、オンライン野球教室「おウチで工藤塾 こどもの日スペシャル」を開いた。57歳の誕生日でもあったこの日、小中学生を対象にトレーニング法の紹介や技術的なアドバイスなど、汗だくになりながら2時間半の「熱血指導」。昨季まで5戦5勝だったバースデーを今年は試合がない形で迎えることとなったが、ファンと思いを一つにして依然不透明な開幕へ向けての準備を進めていく。

 パソコンやスマートフォンの画面越しでも、その熱さが子どもたちへ届いた。正午から始まったオンラインでの野球教室。ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」と、同時配信した球団の公式ツイッター上で、工藤監督が「こどもの日」を迎えた計1000人近い子どもらとふれ合った。

 前半は下半身、上半身に分けてのトレーニングメニューの紹介を自ら手本を見せながら初級編、中級編、上級編と丁寧にわかりやすく説明を続けた。時折「は~い、できた人~?」と学校の先生のように呼びかけながら、画面越しにコミュニケーション。技術編の後半は、スローイングのトレーニングとして、めんこを使ったユニークな練習法などを紹介した。ほぼ休みなく2時間半の教室を続けた指揮官は、汗だくだ。

 「ただでさえ汗かきの人間が動いて話してとなると汗をかいて、お見苦しいところをお見せしてしまった」と、苦笑いを浮かべたが「子どもたちの顔を見ると、僕自身も一生懸命伝えたいと思った」と、終了後の表情には充実感だけがにじんだ。オフには、ライフワークの一つとしている野球教室で毎年多くの子どもらとふれ合っているだけに、長期間の休校などでストレスを抱えているであろう子どもたちを少しでも笑顔にしたいとの思いが、指揮官を突き動かした。

 この日は、57歳の誕生日だった。就任1年目から昨季まで、自身のバースデーは5戦5勝。毎年、選手が白星をプレゼントしてくれたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で今年は試合すら行われなかった。それでも指揮官は「素晴らしいプレゼントを子どもたちにもらった。映像を見ながら一生懸命やってくれたり、野球に対する強い思いを感じた。僕にとっては素晴らしい誕生日となった」と、子どもらから今後へ向けてのパワーをもらったことを喜んだ。

 野球教室後には投手陣の練習を見守り、各選手とコミュニケーションを取りながら状態把握に努めた。緊急事態宣言が延長され、6月中の開幕も厳しい情勢。「迷うところもあると思うけど、選手に聞くと『大丈夫です』『しっかり調整してます』と強い返事が返ってきているのはありがたい。そういう強い思いをもってくれている選手たちに、僕らとしても応えないといけない」。昨年までとは違うバースデーで心を新たにした指揮官が、いまだ出口の見えないトンネルを懸命に進んでいく。 (倉成孝史)

PR

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング

PR

注目のテーマ