急成長19歳「ポスト福士加代子」へ 広中璃梨佳1年延びた五輪に照準

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 1年の延期が決まった東京五輪。陸上女子長距離の代表入りが期待される成長株が、長崎県大村市出身の広中璃梨佳(日本郵政グループ)だ。入社1年目の昨年は5000メートルで東京五輪の参加標準記録(15分10秒00)を突破するなどトップランナーの仲間入りを果たした。駅伝、トラックで成長著しい19歳。来夏までにさらなる飛躍が期待される。

■昨年標準記録突破

 遠のいた夢舞台。それでも伸び盛りの19歳の目標はぶれない。「五輪に出たい。出るからには決勝に進みたい」。中学で本格的に陸上を始め、長崎商高時代にアジアクロスカントリー(クロカン)やU20(20歳未満)世界選手権に出場。「世界で戦ってみたい。通用する選手になりたい」と、五輪を意識し始めた原体験が広中を今も突き動かしている。

 1年の五輪延期が決まっても「やるべき事は一緒なので、また1年かけて準備を行い、来年のオリンピックシーズンに良い状態で臨めるよう準備してまいります」。所属先を通じたコメントには強い決意がにじむ。

 昨春、東京五輪女子マラソン代表に内定した鈴木亜由子らが所属する実業団の強豪、日本郵政グループに入社。1日の走行距離が高校時代から約10キロ増え、本格的な体幹トレーニングにも励んだことで、ストライドの大きな力強い走りに磨きがかかった。昨年後半から一気に飛躍。12月にあった記録会の5000メートルでU20日本新記録の15分5秒40を出し、東京五輪の参加標準記録も突破した。

 シニアでも戦っていけるという自信は深まった。さらに同世代のライバルとの切磋琢磨(せっさたくま)が成長を後押しする。1学年上で高校時代はともに国際大会に出場していた田中希実(豊田自動織機TC)が、昨年のドーハ世界選手権女子5000メートル決勝で日本歴代2位の15分0秒01を記録。レースをテレビ観戦していた広中の闘志に火が付いた。「私もドーハに行きたいという気持ちが強かった。すごいという気持ちもあったけど、自分も負けたくない」。対抗心を胸に、走り込みを重ねる。

■現在は寮で筋トレ

 「記録にも少しずつ挑戦していきたい気持ちはすごくある」と、今後は日本女子では福士加代子しか達成していない5000メートルの14分台にも意欲を燃やす。緊急事態宣言が出ている現在、レースや合宿はできず、練習は寮での筋力トレーニングや近所の公園でのジョギングにとどまっているという。限られた環境下でも1年という時間を有意義に使い、日本女子長距離のエースへの階段を上っていく。 (伊藤瀬里加)

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