コロナ禍でプロ志望の選手はどうしてる? 試合なし、スカウト不在…故郷に帰れない寮生が明かす胸の内

西日本スポーツ 前田 泰子

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて全国の大学野球界は春季リーグが開幕できない状態が続いている。4月に開幕予定だった福岡六大学野球も開幕のめどが立たず、同連盟所属の九共大も活動を休止中。プロ志望の平良竜哉主将(4年・前原)は故郷の沖縄に戻れず、プロのスカウトにアピールする場も持てないまま寮に残りリーグ開幕を待つ。この期間を成長のチャンスと捉え、今秋のドラフトでの指名を目指してトレーニングに励む日々を送っている。

■成長に手応え

 勝負を懸けるはずの大学ラストイヤーは予想もしなかった幕開けになった。リーグ戦は開幕できず、チームの練習も3月上旬から休止している。自宅に戻れる選手は帰宅したが沖縄出身の平良は自宅へ戻れない。同じ沖縄出身のチームメートと寮に残った。「感染防止のため食事時間をずらしたり風呂も分かれて入ったり。練習は寮の前で自主練をするだけです」と平良は苦しい現状を明かす。

 2年春のリーグ戦から4番が定位置。同年秋にはMVPや首位打者など五つのタイトルを取った。これまでMVPのほか首位打者、盗塁王、打点王、本塁打王、敢闘賞に3季連続のベストナインと数々のタイトルに輝き、昨秋は故障で合宿には参加しなかったものの大学日本代表候補にも選ばれた。身長170センチながらフルスイングからの飛距離は抜群。逆方向へはじき返すうまさと2度の盗塁王を獲得した足の速さもある。

 コロナ禍は目指すプロの道にも影響を及ぼしている。リーグ戦ももちろん、プロのスカウトはグラウンドへ足を運べない状況が続くため、現状ではアピールの場はない。苦境ながら悲観せず、むしろプラスに捉えている。「みんなは家に帰りたいと言っていますが、自分はやることがいっぱいあって、時間を持て余すことがない」。社会人野球に進んだ先輩に電話でトレーニング方法を聞いて実行したり、毎日、動画で自分のスイングを撮って研究したり。「いろいろなことが試せて1カ月があっという間だった」という充実した日々を過ごしている。

 休止期間は自分の体を見つめ直す時間にもなっている。大学生になってから腰痛などの故障に悩まされてきた。「自分は目いっぱい練習してしまうので故障につながる」と、休養日も入れて練習量を調節するようになった。野球を始めて今までにない時間を過ごすことで「成長できていると感じている」とレベルアップの手応えはある。

 リーグ戦の開幕については12日に開かれる全日本大学野球連盟の理事会の決定を踏まえて決まる予定だ。「今はリーグ戦へ向けて準備するだけ。成長した自分を見せたい」。勝負の年。逆境を糧にしてグラウンドに戻れる日を目指し、万全の準備を進めていく。 (前田泰子)

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