巻誠一郎は自分の胸を指した 2018年の熊本地震復興支援マッチ

西日本スポーツ 永田 浩

 試合終了後、J2ロアッソ熊本のFW巻誠一郎(当時)は、サポーターで埋まる客席に向かった。笑みを浮かべ、自身の胸を指して何かをアピールし、拍手をしていた。

 2018年4月15日、えがお健康スタジアム(熊本市)であった東京V戦は特別な試合だった。熊本地震復興支援マッチと銘打ち、ホームでは約1万人の観衆が声援を送った。結果は0-0のドロー。巻は、後半途中から出場した。

 スタジアムに行く前、彼について調べた。「チームの柱」「元日本代表で06年W杯ドイツ大会に出場」「熊本県宇城市出身」「16年の熊本地震後は復興支援活動に奔走」-。

 歩んできた経歴や人間性が表れる一枚が撮りたい、と思い取材に臨んだ。試合終了間際からは、ずっと身長184センチの背番号18にピントを合わせた。

 終了のホイッスルが鳴ったものの納得できる写真は撮れず、しばらく天を仰いだり、プレスルームに引き揚げる準備をしたりしていた。視線をピッチに戻した瞬間、サポーターへあいさつに向かう巻に気付き、冒頭のシーンをカメラに収めた。

 何と言っていたか、どんな気持ちだったのか、分からなかった。翌日の西スポに本人のコメントを見つけた。「みんなに勇気と元気を与えたい」。言葉通りの写真かな、と今振り返っている。 (永田浩)

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 西スポカメラマンが撮った決定的瞬間や記憶に残るシーンを集めた企画「お宝写真館」。取材時の思い出やエピソード、裏話などを随時、紹介します。

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