ソフトバンク和田が球児に救済案「甲子園で特別な時間」と「プロとアマの垣根、雪解けに」

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 「異例」には「異例」の対応を! 福岡ソフトバンクの和田毅投手(39)が21日、今夏の全国高校野球選手権大会と代表校を決める地方大会が中止になったことを受け、独自の救済案を披露した。ペイペイドームでの練習後にオンラインで取材対応。浜田高(島根)で2、3年夏の甲子園に出場した左腕は都道府県が独自で模索している代替大会の優勝校に甲子園の土を踏ませることを提案するとともに、この非常事態をプロとアマの垣根を完全になくす契機にすべきだと訴えた。

 夏の甲子園中止の決定から一夜明けても、和田は困惑していた。新型コロナウイルス感染拡大により、高校球児はセンバツに続き夢の舞台を奪われた。「ずっと考えているけど…言葉が見つからない。何と声を掛けてあげればいいのか分からない」。浜田高3年夏には公立校で唯一の8強入りを果たした左腕は「力以上のものを出させてくれた、素晴らしい場所」と甲子園を記憶するだけに、胸を痛め続けている。

 本大会とともに地方大会も中止となり、代替大会については各都道府県の高校野球連盟の判断に委ねられている。開催されると“優勝チーム”が発生する。和田はその球児たちに甲子園でプレーできなくても、土を踏ませたいと考える。

 「1時間でも、30分でもいい。甲子園で自由に過ごさせてあげたい。練習でも、キャッチボールでも、各ポジションで写真撮影するのでも、土を持って帰ってもいい。そこで卒業式をやってもいい。甲子園は特別な場所。可能なら特別な時間をつくれないかと」

 試合はなくても甲子園につながる切符を得られるなら、代替大会に大きな意義を見いだせる。「甲子園を目指す、行けるという目的は果たせるのでは」。モチベーションがあることの緊張感は故障リスクの軽減も期待できる。それだけではない。戦後初の異例の事態を、プロとアマを分断してきた球界の壁を完全に取り除くチャンスに変えるべきだとも主張した。

 「これを機にプロとアマの垣根が雪解けとなって、高校生に話ができたり、指導ができたり、緩和されればいいなと思う。こういうことがあったから緩和されたんだよと、一つの思い出になるのかなと。変わるきっかけになってほしい」

■開幕へ準備着々

 現在は日本学生野球協会の許可なしに、高校生がプロ野球選手と交わることは認められていない。無念さを募らせる球児に手を差し伸べようとするプロの選手が、いつでも、どこでも自由に関われるようになるため、球界に変革が起こることを和田は望む。

 球児に寄り添いながら自身も開幕への準備を着々と進める。20日は打者との対戦を想定しながらボールカウントを付けてブルペン投球。25、26日に行われる紅白戦での登板を予定している。22日の12球団代表者会議で最速6月19日とされる開幕日が決まる可能性があるが、和田は「問題なく投げていけると思う」と力強い。今、野球界にできることとは-。自問自答しながら、異例ずくめのシーズンに臨む決意だ。 (鎌田真一郎)

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