「撮らなければ後悔する」金メダリストの父ほうふつ 次世代の柔道界を担う逸材Vの瞬間

西日本スポーツ

 会場を包んだどよめきが大きな拍手に変わった。2018年8月10日、津市で行われた全国高校総体柔道競技の男子100キロ超級決勝。国士舘の斉藤立(当時2年)が開始40秒で豪快な内股を決め、優勝した。

 彼はロサンゼルス、ソウル両五輪金メダリストの故斉藤仁氏の次男。記事によると「身長190センチ、体重155キロの体格」。恵まれた体格とタイミングを意識した切れ味鋭い立ち技は、父をほうふつとさせた。

 私は、長崎県代表を取材していた。斉藤は東京都、相手は広島県の高校。決勝戦は、担当外の地域なので取材する必要がなかった。

 機材を片付けながら、彼に視線を向けていると気持ちが動いた。ファインダー越しに漂う大物感。ソウル五輪の柔道で唯一の金メダルを獲得し、日本柔道を救った父とそっくりの風貌。テレビの前で声をからして応援した記憶…。「撮らなければ後悔する」と直感し、決勝も取材した。

 会場にいた関係者や観客の多くは、次世代の柔道界を担う逸材だと確信したはず。東京五輪の代表には選出されなかったが、次回のパリ五輪では世界を相手に渡り合い、父に続いて金メダルをつかんでほしい。 (柿森英典)

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 西スポカメラマンが撮った決定的瞬間や記憶に残るシーンを集めた企画「お宝写真館」。取材時の思い出やエピソード、裏話などを随時、紹介します。

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