ソフト「上野の413球」を受けた捕手 6年ぶりのコンビ復活で新たな決意

西日本スポーツ 西口 憲一

 1年後に延期された東京五輪で活躍が期待されるソフトボール女子。北京五輪で伝説となった「上野の413球」を全て受けた峰幸代(32)=トヨタ自動車=は昨年12月、女子日本代表の合宿に約5年ぶりに招集され、年明けにはエース上野由岐子(37)のボールを6年ぶりに受けた。西スポの書面インタビューで五輪代表入りへの思いを明かした。

 6年ぶりに受けたのは球だけではない。峰は「東京」への無言の決意をミット越しに感じ取った。上野が合流した2月のグアム合宿。北京五輪のバッテリーが復活した。

 「変化球の質や細かい動きにこだわって一球一球練習していた。昔よりバットの芯を外す技術がとても上がっている」

 12年前の「北京」では上野が26歳、峰は代表最年少の20歳。互いに年を重ねたからこそわかり合える部分もある。「上野さんは捕手とのコミュニケーションも取りながら、球の質と感覚を合わせていた」。さらなる高みを目指す心境が息づかいからも伝わってきた。

 現時点で代表の「正妻」は我妻悠香(25)=ビックカメラ高崎=が有力。峰は清原奈侑(29)=日立=らと2番手を争う立場ながら、自身の強みを「上野さんや藤田(倭)さん(29)=太陽誘電=を知っていること。五輪や世界選手権の決勝で勝った経験」と言い切る。年明けの合宿では上野と二枚看板を形成する藤田の球も受けた。「過去の米国戦の投球を振り返りながら、変化球の組み合わせのパターンを増やしていけるように取り組んでいた」と進化を実感したという。

 一度は現役を引退。再びユニホームを着るために加入したトヨタ自動車では米国のエース、モニカ・アボット(34)の女房役となった。東京五輪の1年延期が決まった直後、米国に帰国しているアボットの談話が掲載された記事を目にした。「12年も待ったのだから、あと1年なんて全然問題ない」-。この前向きな思考にうなずきつつ「いい準備ができる期間が増えた」と受け止めた。

 新型コロナ感染拡大の影響で自主練習が続く現在は、階段トレーニングで心肺機能を高め、足腰を鍛えるなど愛知・豊田市内の自宅周辺で一人黙々と汗を流す。「東京五輪は夢。やるべきことをコツコツ積み重ねていけばチャンスはくる」。2度目の大舞台へ、オンリーワンの“歩み”が武器になる。 (西口憲一)

PR

スポーツ アクセスランキング

PR

注目のテーマ

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング