コロナ明け練習再開も感覚戻らず 久光製薬エースが「久美さん」にもらった助言/石井優希#明日へのエール

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 Vリーグ女子で九州唯一のチーム、佐賀県鳥栖市に本拠地を置く久光製薬スプリングス(練習拠点は神戸市)が今月上旬から活動を再開した。新型コロナウイルス感染拡大による自粛期間を経て前へ進み始めたスポーツ界。医療、健康に携わる企業でもあり、最前線で闘う人々や日本への思いを込めて選手がメッセージを送る「#明日へのエール」をスタートする。初回特別版はチームの主将で日本代表でも主力の石井優希。オンラインインタビューに応じ、自粛期間中の取り組みや1年延期が決まった東京五輪への思いも語った。 (聞き手・構成=伊藤瀬里加)

■こんなになまるんだ

 29歳の誕生日だった今月8日、石井は仲間とともに動きだした。4月7日に初発令された緊急事態宣言を受け、活動自粛していたチームが、専門家の助言を受けて再スタートを切ったからだ。

 感覚は全然戻らない。アンダーパスってこんなにできなかったっけ?とか…。家でトレーニングをしていたとはいえ、バレーをする筋肉は落ちている。動けないし、踏ん張れない。1カ月以上練習しないだけで、こんなになまるんだと…。

 2班に分かれて各班が1日おきに練習するなど「3密」に配慮したトレーニング。それでも1人暮らしの石井にとって、チームメートとの再会は精神的に大きかった。

 少人数でも人と会話しながら練習できるのは、気持ちが楽になる。練習の精度は上がっていないけど、みんなでバレーができるのは、すごくいいなと改めて感じた。

 日常からバレーボールが消えた1カ月。自宅でトレーニングに励みながら、この時期だからこその取り組みにも励んだ。

 この期間を利用して「酵素ファスティング」をしました。腸内環境が良くなるということなので、トレーナーさんの指導を受けながらでやってみました。

 エースとして活躍する日本代表にとって、最大の目標である東京五輪が1年延期となった。

 正直な気持ちは「あぁ、マジか~」というか…。長いなっていう感じだった。でも、良く捉えると、さらに1年、チームを固められる時間があると思う。2018年の世界選手権(6位)、昨年のワールドカップ(5位)でもメダルまで遠かった。

代表内でも情報交換

 日本代表は、今年から大分・東九州龍谷高前監督の相原昇氏がコーチに就任。スパイクのフォームなどを見直している。

 今年から新たに入った相原さんが、熱心に教えてくださる。時間をかけて精度を上げられると思う。五輪が本当に開催されるかは、まだ分からない。今は開催されることを祈るだけです。

 日本代表が活動できない期間も、中田久美監督と選手は無料通信アプリLINE(ライン)などで情報交換を続ける。

 お互いに「この本お薦め」などと発信している。久美さんからはこの期間中に考えている強化戦略の再構築案や、(代表の)監督になったこの4年間の振り返り、「こういうストレッチをしてます」といった連絡がきます。

 久光製薬でも指揮を執っていた中田監督とは個人的にも連絡を取り合っている。貴重なアドバイスももらったという。

 久美さんに「(久光製薬の監督だった)2013~14年シーズンの映像を見たら何か見つけられるよ、あのときはすごく勢いがあって良かったよ」と言ってもらえた。若い時の自分と、今の自分を見比べています。

 緊急事態宣言は25日夜に全面解除された。自身もチームも少しずつ前進を始め、バレーボールを愛するファンへの思いも口にした。

 皆さんもコロナの影響で苦しんでいると思う。私たちのバレーを見ることが息抜きだったファンの方も多いと思うので、私としてもそういうのを見せられないのは悲しい。ここからプレーの精度を上げて、リーグが再開した時に「やっぱりバレーって楽しいな」と、喜んでもらえる試合をしたい。この期間を我慢強く乗り越えて、ファンの皆さんと一緒に戦いたい。

 未知の事態と向き合いながら、コートで再び躍動する日をはっきりと見据えている。

 

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