復調のソフトバンク高橋礼、工藤監督が出した開幕ローテ入りの条件

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 福岡ソフトバンクの高橋礼投手(24)が28日、ペイペイドームでの紅白戦に登板し2回を6人で抑えるパーフェクト投球を披露した。春季キャンプ中に左太もも裏を痛めたサブマリンにとって、試合での登板は昨年11月に優勝したプレミア12決勝以来5カ月ぶり。工藤監督は投球内容を高く評価し、コロナ禍で3カ月遅れたシーズンの開幕ローテーション入りへ、大きく前進した。

 「今日は真剣勝負で、1軍に残るため死ぬ気で投げた」。試合後のオンライン取材でこの日の覚悟を明かしたように、スイッチが入った高橋礼は見違えた。左太もも裏の故障後、初の実戦形式での登板だった23日のシート打撃から中4日。「(23日は)自分との闘いでバッターに集中できなかった」。昨年12勝を挙げた新人王も安泰ではない。置かれた立場を理解するからこそ、結果にこだわった。

 二保、石川、バンデンハークと開幕ローテーション候補のライバルが一通り投げ終えた6回から、マウンドに上がった。先頭の1番周東を外角直球で三ゴロに打ち取ると、続く今宮をカーブでタイミングを外し見逃し三振に抑えるなど三者凡退。7回は先頭松田宣をシンカーで3球三振に仕留めるなど、3人で封じた。

 2回を完全投球。春季キャンプの投内連係でのベースカバーで左太もも裏を痛めた右腕は、当初のシーズンイン直後の復帰を目指して急ピッチで調整したつけが回り、回復に遅れが生じた。試合での登板は、中4日のスクランブル登板で勝ち投手になった昨年11月17日のプレミア12決勝の韓国戦(東京ドーム)以来、193日ぶりのことだった。

 “復帰登板”で結果は残したものの、直球の最速はまだ136キロ。「(出来は)まだ50パーセントぐらい。同じ136キロでも弱くなっている」と自己採点は必ずしも高くはない。それでも工藤監督は、開幕ローテーションの候補として計算しているか問われると「そうですね」とはっきりと認めた。

 3月20日だった当初の開幕に向け、先発は東浜、ムーア、石川、バンデンハーク、和田の5人に加え松本と二保が最後の6枠目を争っていた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が延びたことで、アンダースローに開幕ローテ入りの目が出てきたことはチームにとっては好材料に違いない。

 ただ先発ローテの一角を担うには、イニング数を投げられる証明も必要。指揮官も「故障明けで、あまりポンポン球数を増やすのも考えなければいけない。回復具合や調整によって考えていきたい」と慎重な姿勢は崩さなかった。

 ただでさえ、開幕までの調整期間が短い。「枠」をつかむには一つのミスが痛手となる。「バッターと対戦して、その1球で自分の評価や見られ方が大きく変わる。試合で投げないと野球選手として成立しない。試合に投げてこそ価値が出る。1球も無駄にできない」。試合への渇望が強い言葉になって噴き出した。サバイバルを生き抜いてみせる。 (鎌田真一郎)

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