近隣対決を優先、過密日程…再開Jリーグ各クラブの思惑とは

西日本スポーツ 末継 智章 向吉 三郎

 J2アビスパ福岡とV・ファーレン長崎の監督、選手らが30日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中断していたJ2の6月27日再開が決まったことを受けてオンライン取材に応じた。Jリーグは29日の会見で、再開後のカードについて長距離移動による感染リスクを抑えるため、近隣のクラブ同士の対戦を優先する方針を示しており、両チームの九州ダービーが早々に行われる可能性もある。長崎の手倉森誠監督(52)は打倒アビスパに自信を見せ、福岡の長谷部茂利監督(49)はJ1昇格という目標を改めて見据えた。

手倉森監督「勝って勢いを」

 昇格を争うライバルに先制“口撃”だ。近隣クラブとの対戦から再開することが決まったJリーグ。長崎の手倉森監督はJ2で最も近距離で再開直後の対戦が予想されるアビスパを意識し、自信満々に言い切った。「再開時の状態がいいのは間違いなくわれわれ。九州ダービーから始まるなら、勝って勢いをつけるには一番いい」

 長崎県の感染者が福岡県より少なかったこともあり、V・ファーレンはアビスパより8日早い11日にトレーニングを再開。福岡がまだ行っていない全体練習も26日に再開し、29日には実戦形式の練習も始めた。ライバルより早く準備を進めたことで、指揮官は「組織的に連動するサッカーへの意識は高まっている」と手応えをつかめた。

 リーグ戦再開までに練習試合を4試合組むプラン。手倉森監督は「近隣のJクラブとしか練習試合ができない制限があり、取り合いになっている」と明かした上で「先手先手を打ち、3試合組めた。連戦になる日程を考慮し、中3日での練習試合もシミュレーションする」と入念に準備を進めていることを強調した。実は福岡とも練習試合を組んでいたが、直近の対戦が予想されるためキャンセル。それほど警戒心を高めている。

 リーグ中断の間に、負傷離脱していた元コロンビア代表FWイバルボが復帰。今季ブラジル1部から加入しながら、2月の開幕戦はベンチ外だったMFルアンがチームに溶け込む時間も確保できた。30日にクラブのユーチューブ公式チャンネルでのイベントに出演した手倉森監督は「ルアンが日本の速いサッカーにフィットしてきた。ファンタジックな選手。楽しみにしてほしい」とブレークを予告した。栃木を破った開幕戦で“助っ人”2人を欠いていた長崎が、J1復帰に向けて再びスタートダッシュする。 (末継智章)

長谷部監督「統一感が大事」

 J1昇格というゴールだけを真っすぐに見つめて走る。再スタートの日が「6・27」と決まっても、福岡の長谷部監督の信念は揺るがない。「対戦相手がどうこうというのはあるが、まずは自分たちのコンディションや統一感が大事」とシーズン全体を見据えた。

 中3日など過密日程が続くとみられ、42試合の全日程消化も不透明な中でも、長谷部監督は「勝ち点81」という目標について「変わりません」と強調。「チームでどういうふうにボールを運んでいけるか、ボールを奪えるか、そういうところにかかっている」。攻守に連動して戦う長谷部アビスパのスタイルを貫くことこそ目標到達への一本道と信じる。

 今季就任し、15人が新加入したチームを一からつくり上げた。前線からの守備や速攻を磨き、始動から2カ月弱での開幕戦で北九州を1-0で破った。その後は練習ができない日々が続いた。6月1日から約2カ月ぶりに全体練習を再開予定。1カ月弱でチームを再びつくり上げなければならないが「選手の頭に残っている」と戦術の浸透に自信を持つ。

 その浸透は北九州戦で実践した選手だけではなく、全員に染み渡る。ハードな日程に長谷部監督は「総力戦になることは間違いない」とスタメン固定の考えがないことを示唆。「緊張感ある中で若い選手が仕事ができるか、暑い中でベテランの選手がどれだけできるか」と一丸で戦う姿勢を示した。

 5月30日の自主練習を見守った長谷部監督は「状態は非常にいい」と厳しい状況でもコンディションを維持した選手らに感謝。「アビスパ福岡がJ1昇格にたどりつけるように歩んでいきましょう」とサポーターに力強いメッセージを送った。 (向吉三郎)

PR

アビスパ福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング