ラグビー福岡堅樹「らしい」東京五輪断念 記者が感じた独特の価値観

西日本スポーツ 大窪 正一

 昨年、日本で行われたラグビーワールドカップ(W杯)で日本代表として活躍した福岡堅樹(27)=パナソニック、福岡県古賀市出身=が東京五輪出場を断念したことが13日、分かった。同日、日本ラグビー協会が7人制日本代表トレーニングスコッドからの離脱を発表した。

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 合理性や効率を大切にする福岡らしい決断だ。既に15人制では日本代表の引退を表明。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)や福岡高時代の恩師である日本協会の森重隆会長が翻意を望んでも決意は揺るがなかった。集大成にするはずだった五輪の1年延期。次のステップを考えた上で、タイムリミットと判断したのだろう。

 もともと価値判断の「物差し」が他の選手と違うと感じていた。自主性を重んじる家庭に育ち、何ごとにも根拠を求め、自分で考え抜く。目標に対しては常に逆算し、短期集中して臨んだ。子どもの頃は遊ぶ時間を増やすために学校で宿題を済ませるようなタイプ。オンオフの切り替えもうまく、そつがない。

 取材対応でも質問の狙いを素早くつかみ、早口で「模範解答」を繰り出す。やや人間くささに欠け、時にドライに映る面もあるが、それは当てはまらない。きちんと答えたいという真面目な性格と、より多くの質問に答えられるという誠意の表れだ。

 効率を追求した一方で、常に100パーセントの力を出しきる大切さを日本代表で学んだ。5年前の代表合宿。当時の指揮官、エディー・ジョーンズHC(現イングランド監督)に体力の配分を考える「計算」を見透かされて雷を落とされ、人間的に一皮むけるきっかけになった。

 来年1月開幕予定のトップリーグには出場意欲を示していた。このままプレーする姿が見られないのは惜しい。ファンも同感だろう。ただ、福岡が進む道は異例中の異例ともいえる挑戦。実現すればアスリートの可能性や価値を高めることにもつながる。彼を取材した記者として心から応援したい。(大窪正一)

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