ラーメン店の調理作業が見えるように…Bリーグ島田新チェアマン、生き残りは積極発信

西日本スポーツ 末継 智章

 コロナ禍打破の鍵はIT-。バスケットボール男子Bリーグの新チェアマンに就任が決まった島田慎二氏(49)が、このほど福岡市・天神の西日本新聞社で本紙の単独取材に応じた。10日の就任発表会見後、インタビューに応じたのは初めて。島田氏は新型コロナウイルス感染拡大の影響で危機的状況にある地方クラブの生き残り策として積極的な情報公開を提案。自らもSNSで率先して発信する方針で、情報技術を活用して地域格差を埋める考えだ。6月末まで経営アドバイザーを務める2部(B2)ライジングゼファー福岡には1部(B1)昇格への期待を込めつつ、厳しい目で見ることを強調した。 (聞き手・構成=末継智章)

 -コロナ禍で各クラブの経営が苦しい。

 10日の就任会見でクラブを一つもつぶさないと宣言した。戦力強化に資金を使って経営を悪化させないように、来季は降格なしにした。今は守ることが重要。過去の慣例にとらわれずやっていく。

 -地方のクラブが生き残る方法は。

 地方は相対的に企業が少なく、人口も少ないから収入を得られづらい。このデメリットを超えるのはオーナーだ。リーグの魅力を訴え、地方でもクラブを持つことがステータスになるという世界観にするのは私の仕事。クラブに頼まれれば(説明などに)駆けつける。

 -オーナー依存だと地域色が出にくいのでは。

 私が以前社長を務めた(B1)千葉はつぶれそうなところから地域密着を続けて成長し(昨春)ミクシィと組んだ。それでも地域密着はやめず、資本とのハイブリッド(融合)になってきている。今までの文化を大事にしながら経済力をつける挑戦が、大きな可能性につながる。

 -B2福岡は経営危機に陥った昨年、健康食品通信販売の「やずや」(本社・福岡市)などが株式を取得した。

 経営体制が不安定な流れが続き、バスケットボール業界や行政からの信頼を勝ち得ていなかった。今はオーナーが代わって地元の企業で支えるメッセージを出し、社員も増やして地元に寄り添う人的リソースがついてきている。劇的には変わらないが、良い方向に向かっている。

 -今後福岡に必要なのは。

 ファンもクラブに寄り添い、一緒に喜び、果実を得る感覚を持っていただくと、成長スピードは増す。

 -千葉ではどうやって共感してもらえたか。

 SNSでディスクローズ(公開)した。人間関係と一緒でうそをついてばれると信頼関係は崩れる。逆にスタンスを明確にし、どういう思いで運営しているのかを知ると、ファンは感情移入をしやすくなる。ラーメン店の厨房(ちゅうぼう)が見えるのと一緒。必死で作る雰囲気や(職人の)汗を見ると、魂を込めて作っているのだなと思えて、おいしそうに見えるでしょう。

 -チェアマン就任後も発信は続けるか。

 失敗が許されず、怖いからやめとけ、と言う意見もあるが、一番良くないのはBリーグが話題にも上がらないこと。議論が活性化した方が健全と考えている。基本的に開かれたリーグにしていたい。広報に怒られない程度にやります(笑)。

 -アフターコロナの世界ではリモートマッチ(無観客試合)の観戦方法なども検討する必要があり、情報技術がより重視される。

 そこを制した者がスポーツ界を制するのではと思う。引き続きリーグのメインスポンサーになってくださるソフトバンクさんは世界中の技術を活用している。つながりは大きい。会見もオンラインにすれば記者の移動コストもかからず、地域格差が埋まる。頻度を増やしたい。

 -リーグはアジア市場を見据え、放映権収入やインバウンドの拡大などを目指している。

 福岡のためにやっているわけではないが、福岡がアジアの玄関口である以上、結果的に(アジア市場で)利する可能性が一番高い。今、クラブはもっと基礎的な部分を整えないといけないが、将来の成長戦略にアジアは欠かせない。

 -6月末で福岡の経営アドバイザーを退任する。

 どこも経営努力しているのでここだけとはいかないが、福岡はB1にいないといけないクラブで潜在能力はとてつもない。千葉も8年ほど前は地元高校のチームからも「見たくない」と言われていたが、力を付けるうちに見に来てくれるようになり、最近では「将来(千葉)ジェッツに行きたい」と言ってくれるようになった。クラブが成長し、福岡大大濠高や福岡第一高の選手たちが将来行きたいと思う状況になってほしい。

 -今後も千葉や福岡は気になるか。

 ひいきと言われないよう、特に厳しい目で見ないといけない。甘やかしません。

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