コロナ禍で舞台奪われた指導者へ J1昇格請負人からのメッセージ

西日本スポーツ 松田 達也

 記者コラム

 J2V・ファーレン長崎の松田浩アカデミーダイレクター(59)が6日、小、中、高校生の指導者に向けたオンライン講習会を行った。2005年にアビスパ福岡、06年には神戸を率いてJ1昇格に導いた実績の持ち主。福岡の監督だった当時、取材への明瞭な受け答えが印象的だった。新型コロナウイルス感染拡大という未曽有の事態の中で、指導者たちにどんな言葉を掛けるのか、気になってオンラインの仲間に加わらせてもらった。

 14年からは4年間、日本サッカー協会(JFA)のトレセンコーチとして指導者の育成に携わり、18年から現職。育成年代指導のスペシャリストとなった松田氏の講習会は、戦術の解説だけではなく、指導者に「情熱」を求めるなどメンタル面にも言及する熱い内容だった。

 「大会に勝つことだけでなく、世界的な選手を育てたいなど、自分が目指す目的があれば無駄には過ごさないでしょう。コーチングや声掛け、トレーニング法についても見直して改善できるかもしれない。そうすれば、さらにレベルの高い指導者として接することができるようになり、子どもたちも幸せになる」。講演後の会見では指導者の心構えを教えてくれた。

 サッカーに限らず、練習や試合に制限がある日々が続く。葛藤は子どもたちだけではなく、大人たちにもあるはずだ。「ピッチでの指導は、(指導者にとって)メインの仕事で表現者の舞台。それを奪われるのはつらい経験だろうが、自分が何のために指導者をしているのか、忘れないでいれば大丈夫でしょう。通常の活動は必ず再開される時期がくる」と松田氏は訴えた。

 松田氏は故障した選手のケースを例示した。けがをすれば、リハビリと並行して普段はできない練習に取り組み、レベルアップのチャンスを得られる。「そうなれば、けがの期間は無駄ではなかったということになる」。世界がコロナ禍を乗り越えた時、指導者も子どもたちも成長し、未来のスポーツ界を明るく照らす-。熱い口調を聞きながら、そう感じた。 (松田達也)

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