前評判通りの勝ちっぷり 工藤監督の覚悟…後ろ指などさされたくない

西日本スポーツ 石田 泰隆

タカ番記者コラム「好球筆打」

 ◆ソフトバンク2-1ロッテ(19日、ペイペイドーム)

 異例ずくめのシーズンが幕を開けた。例えば選手の「定員」が表すように、1軍登録、ベンチ入り、外国人とそれぞれの増員がルール上、認められた。これらはすべて新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮し、選手の負担減を目的に新たに定められたものだ。

 付随するように、感染対策も各球団で工夫が凝らされている。遠征先での外出自粛はもとより、チーム宿舎での食事も「密」を避けるため、ホークスでは一人一人の席が距離を空けて設けられていると聞く。あらゆる面で、異例ずくめのシーズンとなりそうだ。

 そんな中、シーズンは120試合制が採用された。例年より23試合少ないが、開幕カードの後は8月下旬まで同一カード6連戦が続くなど過密日程が待ち受ける。しかも、パ・リーグは4球団がドーム球場を本拠地としており、雨天中止にあたる可能性は低い。「6連戦地獄」というこちらの“密”は、どうやら避けられそうもない。

 そんなわけで、今年は誰も経験したことのない未知のシーズンを戦うことになる。にもかかわらず、各スポーツ紙に掲載される球界OBの順位予想は「ホークス優勝」が大半を占めた。根拠として多く挙げられていたのが「選手層の厚さ」。担当記者というひいき目抜きにしても、そこは12球団随一であるように思う。

 そんな前評判は、工藤監督の耳にも届いていたことだろう。開幕前日の18日。指揮官は力強い言葉で、3年ぶりの覇権奪回を誓っていた。「開幕ダッシュして、ぶっちぎりで勝つ思いでいく。われわれはリーグ優勝しなくてはいけないチームだと思う」。普段は言葉選びも慎重な将が、珍しく、圧倒的な力でVロードを突き進む覚悟を示した。

 だからこそ、今年こそ結果で示してほしい。チームは3年連続日本一に輝いているとはいえ、真の王者ではない。あくまでも。2年連続で覇権を逃した挑戦者だ。選手も、首脳陣も、もう“後ろ指”を指されるような日本一の称号とは、おさらばしたいに違いない。

 何もかもが異例ずくめの今シーズン。初陣は新星栗原が劇打で締めた。そのきっかけをつくったのは、代打出場したベテラン明石の一打だった。延長10回には「第2先発」要員としてブルペン待機する高橋礼が登板し、勝利投手となった。球界一厚いとされる選手層が偽りでないことを、今年こそ証明してほしい。 (石田泰隆)

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