延期の東京五輪を前に29歳決断、バレー日本代表・新鍋が引退 ロンドン五輪「銅」に貢献

西日本スポーツ 西口 憲一

■29日に記者会見

 バレーボールVリーグ女子の久光製薬は20日、2012年ロンドン五輪銅メダリストで女子日本代表の新鍋理沙(29)=鹿児島県霧島市出身=が現役を引退すると発表した。攻守の要として「日の丸」を背負ってきたアタッカーが1年延期となった東京五輪の舞台に立つことなく、コートを去る。29日にオンラインで記者会見をする予定。

■「実感湧かない」

 所属の久光製薬を通じてのコメントで、新鍋はバレーボールを「生活の全てでした」と言い切った。小学1年から始まった競技人生。小さい頃に抱いたトリマーになる夢を脇に置き、一途にボールを追い掛けてきた。「現役を引退することに、まだ実感が湧きません」との談話を発表した一方、来月に30歳を迎えるアタッカーは自らの進退に一区切りをつけた。

 群を抜く守備力で周囲の選手に安心感を与え、小技を駆使した攻撃でけん引。身長175センチと決して大きくなくても、代表と久光製薬を攻守にわたって支えた。「正面でボールをとらないように。前後のボールさばきが得意じゃないので体を逃がせるようにしてとるようにしています」とコツを明かした安定したサーブレシーブは新鍋の代名詞でもあった。

■12年代表最年少

 「あの大会が自分にとってのターニングポイントでした」と明かしたのはロンドン五輪だった。当時代表最年少の22歳で、28年ぶりのメダル獲得に貢献した。「がむしゃらというか、ついていくのに必死でした。竹下(佳江)さんや(荒木)絵里香さんもいらっしゃって、ずっとテレビで見ていた方ばかり。足を引っ張らないように、今できることに集中しようと…」。自宅のいつも目に入る所に大切に飾っているという銅メダル。その輝きと重みを忘れたことはない。

 18年の世界選手権、19年のワールドカップと出場し、東京五輪を目指す20年度の代表メンバーにも当然のように選ばれていた。大きな分岐点となった五輪延期。中田久美監督が一貫して志向してきた「テンポの速いバレー」の担い手が、惜しまれながらユニホームを脱ぐ。 (西口憲一)

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 迫田さおりさん(同じ鹿児島県出身。女子日本代表のチームメートとしてロンドン五輪でともに活躍)「私の中では完璧な選手というイメージ。どうしてあれだけ守れるんだろうと思うほど守備がうまく、攻撃でもブロックアウトを取れる。身長は私(175センチ)よりも低いはずですが、世界に通用したのも納得です。ロンドンでは一番若くても堂々とプレーする姿が印象的でした。バレー人生に悔いがないからこそ、このタイミングで決断したのだと思います。心の底から『お疲れさまでした』と声を掛けてあげたいです」

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