国際大会で4連勝 柔道代表コーチが実践する準備段階での「ネガティブ思考」

西日本スポーツ 末継 智章

 柔道の男子81キロ級で永瀬貴規(旭化成)はリオデジャネイロ五輪に続いて2大会連続の五輪代表に選ばれた。右膝の手術を乗り越え、東京五輪で悲願の金メダルを目指す永瀬を支えるのが、日本代表の金丸雄介コーチだ。

 リオデジャネイロ五輪に続いて永瀬を担当する柔道男子日本代表の金丸雄介コーチは金メダルへの鍵として発想の転換といえる「悲観主義」の習得を挙げた。

 永瀬は優勝候補筆頭だったリオで銅メダルに終わり、金丸コーチは「永瀬は技術よりもいかに100パーセントの力を出せるかに尽きる」と痛感。不安を打ち消すためにポジティブに考えるよう促してきた。

 しかしネガティブに物事を考えた方が入念に準備して成功を収める場合もあるという「防衛的悲観主義」が心理学で研究されているのを知り、指導に取り入れた。それが昨年7月から11月にかけての国際大会4連勝につながったという。

 金丸コーチも現役時代、苦い経験がある。男子73キロ級代表で臨んだ2008年北京五輪で力を出せずに2回戦で敗れ、敗者復活戦も勝ち上がれずにメダルを逃した。本来は慎重に準備するタイプながら「当時はポジティブに考えるのがセオリー。浮足立って自分自身が見えなくなっていた」と振り返る。永瀬も似た性格と捉え、「悲観主義」を勧めた。

 もっともこの考え方だけで試合に臨むと力を発揮できない面もあり、2月のグランドスラム・デュッセルドルフ大会では初戦の2回戦で不覚を取った。「どこでスイッチを入れるのか難しい。五輪本番にピークを合わせられるかも大事になる」と試行錯誤してより良い形をつくり上げる。 (末継智章)

PR

柔道 アクセスランキング

PR

注目のテーマ

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング