2打席連発のソフトバンク・バレンティン「予感」漂わせた移籍後初守備

西日本スポーツ 倉成 孝史

〈鷹番が見た〉

 ◆西武2-4ソフトバンク(25日、メットライフドーム)

 バレお目覚め2発! 開幕から4番に座るウラディミール・バレンティン外野手(35)が強烈な移籍1号と、豪快な2号を2打席連続で放った。開幕から元気のなかった“新助っ人”が大事な西武戦でついに覚醒だ。投げてもバンデンハークが7回まで「ノーノー」投球を披露。8回途中2失点の好投でチームを初の連勝に導いた。これでチームは3勝3敗と星は五分に。敵地で工藤ホークスが勢いに乗ってきた!

■本職で気分転換

 確信めいたものがあった。「今日こそ」。そう思っていたら、出た。それも2発。バレンティンが、2回に左翼席へ弾丸ライナーの一発を突き刺すと、4回の2打席目には左翼席を越え、売店が並ぶコンコースにまで届く特大の“場外弾”をぶっ放した。今季6戦目、23打席目での待望の1号から2打席連発。4番として「飛距離は関係ない。一番大事なのは今日の勝利を手にできたこと」と、今季初の連勝に貢献できたことを喜んだ。

 予感はどこからきたか-。試合前練習中。スタンドからフリー打撃を見つめていると、工藤監督がグラウンドへ姿を現した。就任以来「監督番」をしているだけに、視線は自然と「81」の動きを追っている。森ヘッドコーチらと軽く言葉を交わすと、指揮官はテクテクと左翼まで歩いた。そこで、守備練習中だったバレンティンと通訳を介して会話。最後に帽子を取って、最敬礼した。100メートルほど離れた場所から見ていたので声は聞こえないが、このシーンで今季初めて左翼で出場することが分かった。

 野球には攻守の「リズム」がある。バレンティンは昨季まで指名打者制度のないセ・リーグのヤクルトに9年間在籍。左翼を本職とし通算288本塁打をマークした。24日まで柳田ら5選手が本塁打を放つ中、自身はDHで出場して5戦ノーアーチ。4番として焦りもあっただろうが、慣れた守備に就くことが「気分転換」になるのではと思ったのが「出そう」と思った理由の一つだ。源田の飛球を無難に処理するなど初回の守備を終えると、小走りでベンチへ。2回の先頭で今季1号を放ってみせた。

 何の責任感もないただの「勘」を自慢げに披露してみたが、試合前はそれ以上の不安も感じていた。この一戦がチームにとって「我慢の試合」だったからだ。バレンティンを左翼に送ったのは、5戦続けて左翼で出場していた足に故障歴のある長谷川の負担を減らすことが目的の一つだったことを、工藤監督は説明。またこの日は、24日に逆転V3ランを放った今宮をスタメンから外した。

 24日は今季初の2桁安打で連敗をストップ。「借金完済」に向けて大事な一戦となるだけに、できるならスタメンをいじりたくないのが本音だろう。ただ、工藤監督は開幕カードでも今宮や上林をあえて先発から外すなど、超過密日程となる今季の対策として、故障歴のある選手を定期的に休ませていくことを明言している。

 故障による長期離脱だけは絶対に避けたいという思いからだが、仮に25日の試合を落とし再び借金2となっていれば、もどかしさは募ったはずだ。「こういうゲームで打ってくれて、チームに元気を与えてくれた」。指揮官の笑顔が、4番が放った2発の価値の大きさを物語っていた。 (倉成孝史)

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