ソフトバンク・バンデンハーク快挙逃すも「スペシャルな勝利」ウイニングボールの行方は

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ◆西武2-4ソフトバンク(25日、メットライフドーム)

 “有言実行”の「オランダデー」になった。投手陣の大トリで2020年シーズンの「開幕」に向けたマウンドに上がる前、バンデンハークは食事会場でバレンティンと鉢合わせした。「今日はチームオランダでやってやろう! このチームでの1号を打つから」。キュラソー島生まれの大砲と活躍を誓い合っていた。

 4強入りした2017年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、オランダ代表の投打の柱だった。先発時に、よく本塁打を打ってくれた記憶もある。「頼もしい仲間だからやってくれると信じていた」。予想通り2回に移籍第1号アーチを放ったバレンティンは、4回にも2打席連発で猛烈に背中を押してくれた。アイントホーフェン出身の右腕は、新4番打者にも劣らない圧倒的なパフォーマンスを披露していく。

 序盤は198センチから投げ下ろす最速154キロの直球を武器に力で西武打線をねじ伏せた。2巡目はナックルカーブやスライダーの割合を増やして狙い球を絞らせない。7回に2三振を奪って三者凡退に抑え「メジャー時代に7回の途中まではあった」と自身の無安打記録を更新した。

 球団では昨季9月6日ロッテ戦で千賀が達成した無安打無得点。「知ってはいたけど、とにかく一人ずつ拓也(甲斐)のミットにと思っていた。西武打線だから…」。8回、先頭の2年連続本塁打王の山川に最も「らしくない」とも言える内野安打を許し快挙は途絶えた。それでも、7回2/3を87球で被安打2、2失点で、チームの先発陣の中で白星一番乗り。通算42勝となり、ホールトンと並び球団外国人で歴代2位に躍り出た。

■パパで初勝利

 「全てのことに感謝しているし、スペシャルな勝利になった」。昨年、3年連続の日本一の美酒に酔ってから間もなく、第1子の長男が生まれた。だが、来日6年目の新シーズンはコロナ禍に見舞われ開幕が3カ月遅れた。ただでさえ神経が疲弊する中で、自宅で過ごす時間も増えると「妻は疲れているだろうから」と子守に精を出した。長男が夜泣きをすれば何度も起き上がって、静かに寝付かせる日々を送った。

 待ちわびた勝利の知らせを早く届けたかったが、家族の生活リズムはしっかり頭にたたき込まれている。「息子はもうベッドで寝ているかな。世話をしている妻も、なかなか試合を見られていないかも」。届け先の決まっているウイニングボールを大事に握りしめていた。 (鎌田真一郎)

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