意外と大きな収穫かも…ソフトバンク工藤監督も高く評価した“地味”な1打席

西日本スポーツ 石田 泰隆

タカ番記者コラム「好球筆打」

 ◆日本ハム0-4ソフトバンク(1日、札幌ドーム)

 いよいよ夏本番の7月を迎えた。プロ野球の世界では「月」が変われば「ツキ」も変わるとよく言われたもので、試合前の指揮官も同様の言葉を口にし、7月反攻を予告していたそうだが、狙い通りの試合展開となったのではなかろうか。

 打線は3回に「先制」すると、6、7回には「中押し」となる3点を追加。欲を言えば先頭から四球、安打と続いた9回も「ダメ押し点」を奪いにいく野球を徹底できればよかったが、まずはチームが連敗を3で止めたことが大きい。

 投手陣も4人の継投で今季初の零封勝ちだ。先発石川の力投はもちろん素晴らしかったが、工藤監督は4点差となった7回以降も高橋礼モイネロ、森と現時点での「勝ちパターン」のブルペン陣を次々と投入。この一戦をモノにするといった強い執念を感じた。

 そんな中、地味な働きで勝利に貢献したなと思わせたのが「1番」で出場し続ける栗原だ。7回の第4打席。無死一塁で打席が回ってくると、プロ通算128勝と経験豊富な金子を相手にたった1球で犠打を決め、好機を拡大。3番柳田の適時打につなげてみせた。

 試合後の工藤監督も、渋い働きで攻撃を回した栗原の貢献度を高く評価した。「もう1点欲しいところでね。彼が一発で(犠打を)決めてくれたことで、チームももう1点という気持ちが強くなった。対外試合(開幕前の練習試合)でも一発で決めていた。よくやってくれていると思う」。リードを4点に広げた攻撃シーンを、深くうなずきながら振り返った。

 実はそれまで、栗原のバットからは快音が消えていた。6月28日の西武戦の第2打席で中前適時打を放ったのを最後に、9打席無安打状態。無安打試合という形でいえばわずか1試合だが、プロ6年目で初めて開幕スタメンを勝ち取り、安打を量産してきた本人の心情としては、不安でいっぱいだったのではなかろうか。

 そんな中で、ベンチの指示をしっかり遂行できたことが、どれだけ気持ちを楽にしたことだろう。しかも貴重な追加点につながったのだから、喜びも大きかったに違いない。精神的な“ストレス”も軽減されたのか、続く9回の打席では自身11打席ぶりの安打を中前へ運んだ。これでまた、思い切りのいい本来の姿を取り戻すのではないか。久しぶりに投打がかみ合った勝利の陰で、意外と大きな収穫なのかもしれない。 (石田泰隆)

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