ソフトバンク2戦で20失点以上、温厚な社長が激怒した「あの日」以来2年ぶり

西日本スポーツ 倉成 孝史

〈鷹番が見た〉

 ◆ソフトバンク1-9楽天(9日、ペイペイドーム)

 首位を走る楽天強力打線の迫力をまざまざと見せつけられた。本拠地で圧倒的な勝率を誇ってきたリック・バンデンハーク投手(35)が6回途中7失点。救援陣も失点を重ねる連日の「投壊」で、工藤ホークスでは最速となる10敗目を喫した。借金も3。10日からは無人だった客席にタカ党が戻ってくる。これ以上ない後押しを力にして反転攻勢だ。

 楽天戦後の大量失点を示すスコアボードを見て、普段は温厚な社長が“激怒”したあの日を思い出した。あれは2年前の7月11日。都内で行われたオーナー会議の終了後だ。出席した後藤球団社長兼オーナー代行を会場出口で待ち、取材を試みると、思いもよらぬコメントが返ってきた。

 「2日で22点取られて(得点は)1点。本当にいい意味で目が覚めた。僕らフロントでやるべきことを考え直さないといけない。三笠(現GM。当時は球団統括本部本部長)以下、昨日も厳しく指導した」

 いつもは優しい口調の球団社長から吐き出された激しい言葉。それは前日10日まで東京で開催された「鷹の祭典」2試合を指してのことだった。日本ハムとの2連戦は計22失点で連敗。手厳しい言葉に驚かされたのは事実だったが「祭典」に集まってくれたファンへの申し訳なさからくる当然の「怒り」とも理解した。

 さて、時を現在に戻してこの日のホークス。今季ワーストの12失点を喫した8日に続き、大量9失点で連敗を喫した。2戦で計20失点以上は、その時以来、2年ぶりのことだ。

 またしても、好調楽天打線の餌食になった。初回に犠飛で1点を失いながら、4回まで2安打投球を続けていたバンデンハークが、つかまったのは同点の5回。1死から8番足立に左前打を許すと小郷、小深田にも安打でつながれ、満塁のピンチで絶好調の鈴木大を迎えた。2ボール1ストライクからの甘い直球を完璧に捉えられると、打球は左中間を真っ二つ。2点適時二塁打で勝ち越しを許すと、続くブラッシュにも2点適時打を浴びた。下位打線からの5連打で一挙4失点。続く6回も、3投手が乱れ再び4失点だ。

 打線も後藤社長が“激怒”した時と同様に覇気がなかった。試合前に工藤監督は「得点能力で(楽天に)負けているとは思っていない」と、柳田ら上位打線の好調さを強調。だが、下位の粘りで上位へとつなげて得点した相手とは対照的に、7番からの3打者が淡泊すぎた。2回には3人で計7球、5回にも同様に計9球で三者凡退に倒れるなど、打線が「線」になることはなかった。

 借金は3に増え、工藤政権では最速となる開幕18試合目での10敗だ。「しっかり結果を受け止めてやっていかないといけない。まだ三つありますんで。明日からまた切り替えてやりたい」。10日からは観客を入れての開催が始まる。リーグV奪回、4年連続日本一を目指すチームとして、ファンにこんな試合を見せるわけにはいかない。 (倉成孝史)

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