「脚に力が入らない」難病と闘った左腕が帰ってきた日 絶望乗り越えたマウンドで復活の7球

西日本スポーツ

 ◆日めくりソフトバンク 誕生15周年

 ソフトバンク球団は今年15周年。球団がソフトバンクとなった2005年からの出来事を、過去の西日本スポーツ掲載記事で振り返ります。

 2014年7月13日の出来事は…。

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 難病を乗り越えた大隣憲司が408日ぶりに1軍へ帰ってきた。敵地札幌ドームでの日本ハム戦。マウンドに上がった左腕は投球練習を終えるとホームに背中を向け、左手で胸を押さえ目をつぶった。5秒間。「思い切りいこう」。自然と長くなったルーティンで自分に言い聞かせた。

 初球。この試合で本塁打を含む3安打を放っていた陽岱鋼に投じたのは141キロの外角直球だった。2球で追い込み、3球目のチェンジアップを外角ギリギリに沈めて遊ゴロ。西川も二ゴロに仕留め、最後は村田を遊ゴロで上位打線を三者凡退に仕留めた。「ブルペンでは緊張したけど、マウンドに上がると大丈夫だった。3人で終われてホッとしている」。復活の7球をそう振り返った。

 一度はマウンドに戻れないことも覚悟した。最初に異変を感じたのは13年4月。「脚に力が入らない」。検査で黄色靱帯骨化症と診断され手術を受けた。国指定の難病。過去にプロ野球でこの病気から復活して勝利投手になった例はない。絶望感を振り払うようにこつこつとリハビリに励み、ついに帰還を果たしたのがこの試合だった。

 この年、大隣は2度目の登板となった7月27日に本拠地で先発。史上初の復活勝利を挙げると、シーズン終盤の激しい優勝争いの中で存在感を増した。オリックスとの直接対決で勝てば優勝というレギュラーシーズン最終戦、クライマックスシリーズ日本シリーズと快投を連発。投げられる喜びを心の底から味わうようにチーム3年ぶりの日本一まで走り抜けた。

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