大相撲九州場所“消滅”にファン衝撃「福岡に力士のいない11月が想像できない」

西日本スポーツ 林 原弘

 日本相撲協会は13日、臨時理事会を開き、11月8日に福岡市の福岡国際センターで初日を迎える予定だった九州場所を東京・両国国技館で開催すると発表した。大人数での移動、長期滞在による新型コロナウイルス感染拡大を避けるため。1957年に本場所となった11月の九州場所が、福岡で行われないのは初めて。また同場所後に九州を中心に行っている冬巡業の中止も決まった。九州の関係者、ファンから落胆の声が多く聞かれた。

■64年目11月場所

 数々の熱戦の記憶を残す「九州場所」が64年目の今年、コロナ禍に巻き込まれた。日本相撲協会は11月場所初の福岡以外での開催を臨時理事会で決定。八角理事長(元横綱北勝海)は「大人数による東京から九州への移動・長期滞在によるリスクを避け、日程を変えずに東京で行うこととし、両国国技館での開催を目指します」と説明した。地方場所の東京開催は名古屋で予定されていた7月場所に続いてとなる。

 ファン、関係者の衝撃は大きい。九州の好角家でつくる「九州溜会」の林覚乗会長(67)は「楽しみにしている人がたくさんいるので本当に残念。協会が(移動に)慎重なのは仕方ないが、福岡に力士がいない11月が想像できない」と語った。林会長は住職を務める福岡県篠栗町の南蔵院を横綱白鵬、幕内炎鵬らが所属する宮城野部屋に毎年提供。「篠栗には五つの部屋が宿舎を構える予定で、今年は初めて合同のイベントも計画していたが…」と明かした。

 元大関で現幕内の琴奨菊(福岡県柳川市出身)の父菊次一典さん(64)は「福岡でやらないのではという不安はあった」と漏らした。九州場所は毎年全15日間観戦。「今年も後援会と激励会の日程の打ち合わせを始めていた」と嘆いた。

 今年の初場所で優勝争いを繰り広げた関脇正代の地元熊本県宇土市の後援会は、昨年の九州場所で応援ツアーを組んだ。金田光生会長(68)は「今年も25人くらいで行く予定だった。熊本は豪雨で大きな被害を受け、相撲で元気をもらいたかったが仕方ない。5、6人でも東京で応援できれば」と話した。

 幕内千代丸(鹿児島県志布志市出身)らが所属する九重部屋が宿舎を張る福岡市の鳥飼八幡宮で禰宜(ねぎ)の山内明さん(73)は「力士が赤ちゃんを抱っこするイベントが毎年好評で、今年も問い合わせが来ていた」と残念がった。

 八角理事長は「九州の大相撲ファンの皆様および巡業主催者である勧進元様には、誠に申し訳なく、大変残念に思いますが、協会員一同、新型コロナウイルス感染症の感染予防に努め、再び九州の地で力強い大相撲をご覧いただけるよう日々精進して参ります」とコメント。今年は東京で奮戦する力士にテレビ越しに声援を送ることになる11月。福博の風物詩がないのはやはり寂しい。 (林 原弘)

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