語り継がれる松坂大輔VS松中信彦「伝説の3発」 試合中にベンチで王監督が怒った理由

西日本スポーツ

 ◆日めくりソフトバンク 誕生15周年

 ソフトバンク球団は今年15周年。球団がソフトバンクとなった2005年からの出来事を、過去の西日本スポーツ掲載記事で振り返ります。

 2005年7月15日の出来事は…。

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 プロ野球史に残る熱狂を王貞治監督が興奮気味に振り返った。「松坂から3本は見事だね。まさか、こんなにね」。当時、日本球界のエースとして君臨していた西武・松坂大輔が初めて浴びた1試合3本塁打。打ったのは前年三冠王の主砲、松中信彦だった。

 圧巻だった。寄せては消えた波を力づくで引き戻した。2回、初球の146キロを左中間席へ運ぶ先制の30号ソロ。4回にひっくり返されるとその裏、内角150キロを今度は右翼席へ放り込む逆転31号2ランを放った。8回に再び追い付かれ同点のまま迎えた9回、締めは149キロを右翼席中段へ突き刺しての32号サヨナラアーチだ。「松坂は自分にとって特別な存在。本当にうれしい」。ファンで埋め尽くされたヤフードーム(名称は当時)には異様なほどの興奮が充満していた。

 サヨナラ弾の前の打席、6回には右翼線への二塁打も放っており4打数4安打。しかしこの快音もその前の甘い球を見逃した結果だったことから、ベンチでは王監督に「あれを打つんだ」と怒られていた。試合前日のミーティングで何としても勝ちたい王監督はナインに「松坂のストレート打ち」を指示。ハイレベルな要求を忠実に実行し、すべて直球を打っての3発で怪物右腕を沈めた。 

 松坂はこの試合前までプレーオフも含めヤフードームでは7連勝中。絶対的な相性を誇る敵地で最後までマウンドを守り抜いたが、結果的に松中1人に全打点をたたき出された。「最後(のサヨナラ本塁打)は完全に勝負した球。もう少し低めを狙ったんですが…。同じ相手に3本打たれたのは記憶にない」。最後の打席は初球、2球目にチェンジアップを続けた後の直球を狙い打ちされた。意地の力勝負で黒星を喫し、素直に脱帽するしかなかった。

 松坂は06年シーズン後に米国へ渡り15年にソフトバンクで日本復帰。チームメートになった松中は同年限りでソフトバンクを退団、翌年3月に引退を表明した。復帰後も含め、現時点で松坂が日本で浴びた本塁打は117本あるが10本以上を許した打者は12本の松中しかいない。幾多の名勝負を演じた2人の対決の中でもひときわインパクトの強い「伝説の3発」だった。

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