大学野球、コロナ禍で失われた春を越えて…4年生の声と、阪神中田賢一らOBのエール

西日本スポーツ

 九州六大学野球(九六)と福岡六大学野球(福六)の本年度の春季リーグ戦(西日本新聞社など後援)は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になった。1957年に九六、72年に福六が開幕して以来、リーグ戦中止は初めて。強化が進む九州の大学球界をけん引し、プロ野球にも多くの選手を輩出する九六、福六の両連盟にとっても苦渋の決断となった。

 九州のアマチュア野球の底辺拡大、指導者の養成に寄与してきた両連盟は、当初予定の4月11日開幕を大幅に延期し、日程調整や運営方法の変更などを協議。5月12日に全日本大学野球選手権の中止が決まる一方、同14日には福岡県の緊急事態宣言が解除となった。これらの状況も踏まえて開催可否について理事会で議論を重ね、九六が5月28日、福六が6月1日に中止を発表した。

 大学の課外活動中止により練習時間が確保できないチームもある中、両連盟は春季リーグ戦に代わるものとして、1回戦総当たり制のリーグ戦やトーナメント方式の試合などを7月に実施することも検討。しかし、選手・関係者の感染リスクなど健康・安全面を最優先し、こちらも開催が困難だと判断した。

 4年生にとっては最後のシーズンとなることも多い春季リーグ戦の中止から約2カ月がたつ。つらい経験を次の糧にする意気込み、野球ができる環境への感謝、後輩に託す気持ち…。両連盟に所属する12大学の主将(いずれも4年生)と、本紙評論家の柴原洋氏らOB2人の大学野球への思いを紹介する。

■北九州市立大OB・中田賢一投手 プラス捉えに乗り切ろう

 同じ4年生でも、社会人やプロを目指す選手は秋まで残る一方、就職希望者は春季リーグ戦で競技を終えて自分の道に進みます。私は秋まで続けましたが、最後の大会がなくなった選手の気持ちを考えると、かわいそうで何とも言えません。

 社会では自分の力ではどうにもならないことが多々起きます。そんなときは自分の気持ちをリセットして、対応しなければなりません。大学で野球をやめる人も、新たな気持ちで次に向かって行くことが大事です。

 今回のリーグ戦中止をプラスに捉えるのは、社会人になっていない学生には難しいかもしれません。ただ、ここを乗り切れば、社会に出た後も「大学4年の春の方が苦しかったな」と考えられるのではないでしょうか。

 投手の私も切り替えが大切なので、悪い投球をした後は悪かった部分を考え、次は良くなるように修正しています。自分の道を目指すみなさんも、何とか次に向かって進んでほしいと思います。

 (ドラフト2巡目で2005年に中日に入団し、ソフトバンクを経て阪神でプレー、プロ通算100勝)

■九州共立大OB・柴原洋氏 自分見直す好機生かせ

 春季リーグ戦の中止は悔しかったですね。野球を奪われた感じがしましたし、僕以上に学生のみんなが悔しかったはずです。野球ができないつらさや苦しさを痛感したのではないでしょうか。

 特に4年生は大学野球の集大成を披露することができず、悔しい引退になった人も多いことでしょう。今すぐは難しいかもしれませんが、前向きに物事を考えてほしいし、社会人になっても好きな野球を続けてもらえたらうれしいですね。

 本当につらい時期ですが、選手にとっては自分を見直すチャンスでもあると思います。打撃や投球のフォーム、捕球動作などを動画に撮って再確認し、自分をよく理解するのは大切なことです。

 スポーツビジョンの能力を鍛えるのもいいでしょう。瞬間視や動体視力が向上すれば、目と手の協応動作も良くなることが期待できます。全体練習が再開したら、野球を思いっきりやって、一日一日に大事に取り組んでもらいたいと思います。

 (ドラフト3位で1997年に入団したダイエー、ソフトバンクでプレーしてプロ通算1382安打)

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◆九六、福六ともに9月開幕へ

 今年の秋季リーグ戦の開幕予定日について、九州六大学野球連盟は9月11日、福岡六大学野球連盟は同12日とそれぞれ発表している。

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