同率首位浮上のソフトバンク「理想の攻め」 逆転呼んだ工藤監督の勝負手とつながり

西日本スポーツ 倉成 孝史

〈鷹番が見た〉

 ◆ソフトバンク3-2日本ハム(22日、ペイペイドーム)

 工藤ホークスがチーム一丸で逆転勝ちをもぎとり、オリックスに敗れた楽天と並んで首位に立った。2点ビハインドの7回、これまで1安打に抑えられていたマルティネスから先頭の柳田が中前打を放って風穴を開けると、4番中村晃の二塁打で1点を返し、さらに2死二、三塁で8番松田宣が中前に逆転2点打。1イニングに代走を2人起用した工藤公康監督(57)の執念の采配が実った。

 試合後の声のトーンこそ冷静だったが、工藤監督にとって、今季一番と言っていいほど会心の勝利だったに違いない。楽天と並び同率首位に浮上したことがその理由、ではない。打線は6回までたったの1安打。そんな劣勢の試合をひっくり返した7回に、指揮官が追い求める今季の理想の攻撃が詰まっていたからだ。

 6回まで苦しめられたマルティネスに対し「風穴」を開けたのは、やはりこの男だった。2点を追う7回。先頭の首位打者柳田が、中前打で出塁。続く「つなぎの4番」こと中村晃は、追い込まれながらカットボールをシャープに振り抜いた。右中間を破る適時二塁打。主軸2人のバットで1点差に迫ると「(コーチから)9回もあるという話はあったけど、ここは一気に同点、同点以上と考えた」と、指揮官は勝負に出た。

 二走の4番に代えて代走周東を送ると、今宮の遊ゴロの間に三塁へ進んだ。「犠飛でも同点」の状況で打席に入ったバレンティンは、5回にチーム初安打を放っていたが、グッと打ち気をこらえて四球を選び出塁。しっかり攻撃をつないだその大砲に代え、指揮官は1イニング2人目の代走となる西田を送り出し、逆転へ向けたムチをさらに入れた。

 それに応えたのは、開幕以来、いまいち波に乗れていなかった松田宣だ。7番上林の三振後、2死二、三塁で打席へ。代わったばかりの玉井に3球で追い込まれたが「開幕からまったく貢献できていなかった。次につなぐ意識でいったことがよかった」とフルカウントから打球を中前へはじき返し2走者を生還させた。

 殊勲の松田宣が口にしたように、逆転勝利は「つながり」でもぎとった。3年ぶりのリーグV奪回に執念を燃やす工藤監督にとって今季の大きなテーマの一つが「つながり」。昨季チームはリーグトップの183本塁打を放ちながら得点は同4位の582点。トップで756得点の西武に174点もの差をつけられたことに目を背けず「去年足りなかったのは得点能力。つながりある打線、一気に大量点が取れる打線にしていく」と、開幕前からことあるごとに強調してきた。

 6月に行われた練習試合では12戦で12パターンの打順をテスト。シーズンへ向けての「答え」を探しているとも思われたが、開幕後も打者の調子や相手との兼ね合いで日々最善の「つながり」を探り、29試合目にしてこの日の打順は27パターン目となった。8安打だった相手の半分となる4安打しか放てなかったが、7回の「つながり」だけで勝利をもぎとり首位に浮上。「この時期に首位うんぬんではなく、一日一日、積み重ねていくことが大事。先を見ないで『日々新た』でいきたい」。勝利へつながる「つながり」を探し続け、Vへとつなげるつもりだ。 (倉成孝史)

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