くすぶる五輪中止論に代表選手の胸中は 柔道素根「無観客になっても、せめて」

西日本スポーツ 末継 智章

 新型コロナウイルスの影響で延期された東京五輪開幕まで残り1年となった23日、柔道女子78キロ超級日本代表の素根輝(環太平洋大)が地元の福岡県久留米市で開かれた同市中学校柔道大会の開会式であいさつし、中学生たちに金メダル獲得を約束した。

 後輩への激励を通じ、自らの誓いを改めてかみしめた。素根が出席した久留米市中学校柔道大会は、全国や福岡県の大会が中止になった3年生にとって中学最後の公式戦。開会式で素根は「今自分にできることに取り組み、自分の夢に向かって精いっぱい頑張って」とエールを送り、「私も東京五輪で必ず金メダルを取るという気持ちで日々努力する」と約束した。

 素根が3月の五輪延期決定後、公の場で思いを語るのは初めてだ。3月に予定していたグランドスラム(GS)エカテリンブルク大会が中止になっただけでなく、4月に緊急事態宣言が出ると満足な稽古もできずに気持ちが沈んだ。「5、6月と東京で(日本代表の)個別分散合宿をやる予定だったのに、感染者が増えて中止になった。自分を試せる場がなく、きつかった」と打ち明ける。

 それでも6月下旬に母校南筑高(福岡県久留米市)が乱取り稽古を再開すると、素根も参加。「(参加)初日はきつかったけど、結構稽古した。延期になった1年で自分が強くなれると信じるしかない」と吹っ切れた。五輪の中止や再延期論が消えることはないが「自分は東京五輪に懸けてやってきた。開催してほしいし、無観客になってもせめて支えてくれる親には見てもらいたい」

 緊急事態宣言の中、父の事務所に設けてあるトレーニング場で体幹などを鍛え、持久力や瞬発力を高めるメニューも採り入れた。「普段できないトレーニングに取り組む時間ができ、体は大きくなった」と昨夏の世界選手権決勝で破ったオルティス(キューバ)ら大柄な相手に負けない筋力をつけてきている。

 中学生に「大会がなくなってつらく悔しいと思うけど、自分の目標がぶれないように頑張ってほしい」と望む素根。開会式後は南筑高へ稽古に向かった。後輩の手本であり続けるため、ぶれずに「3倍努力」を続ける。(末継智章)

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