球場の雰囲気に試合の流れまで変えた周東の二盗

西日本スポーツ 石田 泰隆

タカ番記者コラム「好球筆打」

 ◆ソフトバンク4-1日本ハム(24日、ペイペイドーム)

 下位から上位へのつながり。どのチームもそうだが、ここにつながりが出たときは高確率で得点が生まれる。それが野球というスポーツだ。打線の上位に好打者が名を連ねるのだから、当然と言ってしまえばそれまでだが、得点できなかったときの反動も小さくないだけに、試合を優位に進める上で大きなウエートを占める。

 3回。その理想的な攻撃を展開し、逆転勝ちを収めたのがこの日のホークスだった。9番周東の右前打を起点に、1死後、2番今宮以降の3連打で一挙3得点。工藤監督も「意図を持って打線を組んでいる。意図通りに点を取ってくれた。あそこでしっかり点を取ってくれたことが良かった」とご満悦の様子だった。

 さて、下位打線の好機演出をきっちり得点につなげた中軸の勝負強さは心強いの一言に尽きるが、ここでは「周東の足」にスポットを当てたい。先頭打者として安打を放ち、今宮の2球目に二盗に成功した場面。待望の今季初盗塁だ。

 これで球場の雰囲気はもちろん、試合の流れもガラリと変わった。やはり、足を使った攻撃は打線にいいリズムをもたらす。それを足技が売りの周東が決めたのだから、なおさらだ。しかも、単独での二盗というところに意味がある。

 一塁にしか走者がいない状況で盗塁を決めたのは、2回の栗原がチームでは3日の日本ハム戦の上林以来18試合ぶりだった。その間チームは5盗塁を記録しているが全て1死一、三塁から一塁走者が走ったものだった。ちなみに一塁走者が単独で二盗を試み、失敗したケースはこの間5度。その影響で攻撃は分断され、得点率も自然と下がった。

 だからこそ、走るべき人が走って得点を呼び込んだ事実は大きい。ようやく決まった周東の今季初盗塁に、工藤監督も「警戒される中で一個走れてホッとしたところもあると思う。これからも隙を見つけて走ってもらいたい」と昨季ばりの量産に期待を寄せた。

 あくまでも個人的な見方だが、周東は「足のスペシャリスト」としてベンチに構える方が脅威であり、このチームのあるべき姿との考えに変わりはないが、本人にそんな思いは毛頭ないだろう。牧原と二塁の定位置を争った2月のキャンプ中には「あらゆる面で牧原さんの方が上」と控えめだった周東も、牧原が故障離脱中の今、鼻息を荒くしていることだろう。打線に勢いをもたらす足技は、やはりこの男が鍵を握る。 (石田泰隆)

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