「柳田勝負」増える状況 ソフトバンク柳田の三冠王、鍵握る4番中村晃

西日本スポーツ 石田 泰隆

タカ番記者コラム「好球筆打」

 ◆ソフトバンク9-4西武(28日、ペイペイドーム)

 止まるのは火曜か、金曜か。そう思っていつも期待するのだが、今回も持ち越しとなった。チーム初完投だ。過去、工藤政権下で最も遅いチーム初完投は2017年の31試合目。28日の試合は今季34試合目だったから、最長記録をさらに更新したことになる。

 なぜ、火曜と金曜に期待が高まるかは言うまでもないだろう。ローテーション通りに回れば完投能力の高い千賀と東浜が先発するからだ。ただ、この日先発の千賀は6回4失点で降板。それでも自身2試合ぶりに白星が付いた。本人の登板後コメントにもあったが、これは野手陣に感謝するしかない。そしてその思いを次回登板でパフォーマンスにつなげたいところだ。

 さて、その感謝の思いが誰より向けられるべきは、4番の中村晃だろう。18年8月1日の西武戦(メットライフドーム)以来、自身2年ぶりの1試合4安打。さらにプロ13年目で初となる1試合5打点の活躍だ。「こんな活躍することはなかなかないので、いいものを見せられてよかった」。試合後のお立ち台では、いつもの謙虚な姿があった。

 1打席目から中前打、右前打、中前打。そして決勝打となった6回2死満塁での一打は、まるで3方向へ打ち分けるのを狙ったかのような、奇麗に左翼線へ流し打った3点適時二塁打だった。4番らしからぬ?鮮やかなバットコントロールには、敵将の辻監督も「お手上げ」といった心境に至ったのではなかろうか。

 しかも、この日は2、3、4打席目といずれも得点圏で回った打席すべてで安打を放った。これで今季の得点圏打率は6割(15打数9安打)と驚異的な勝負強さを誇る。「打線がつながっていい形で攻撃ができている。これを続けていきたい」。ここでも控えめな言葉に終始したが、その中心に好打者・中村晃が座っていることに、もう誰も違和感など感じていないはずだ。

 そして、その“恩恵”を誰より受けるのが、前を打つ柳田だ。これだけ勝負強い打者が後ろで構えていると、相手バッテリーも「柳田勝負」を増やさざるを得ない状況になりつつある。

 現にストライクゾーンでの勝負が増えたのか、柳田は中村晃が4番に座って以降の10試合で本塁打は1本しか出ていないものの、打率は4割5分2厘(31打数14安打)と快音が止まらない。もしかしたら、球団OBでもある松中信彦氏以来の三冠王は、中村晃が鍵を握っているのかもしれない。 (石田泰隆)

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