ソフトバンク柳田が通算1000安打 1年前に口にした「チームに迷惑」、野球選手としての美学に違いない

西日本スポーツ 山田 孝人

 ◆ソフトバンク9-4西武(28日、ペイペイドーム)

 福岡ソフトバンクの柳田悠岐外野手(31)が球団4位のハイペースで通算1000安打を達成した。3回に右翼フェンス直撃の痛烈な単打。らしさ全開のフルスイングで反撃の機運をつくると、5回に二塁打、8回には内野安打と快音を連ねた。4番中村晃も4安打5打点と大暴れし、バレンティンと今宮には一発が飛び出した。エース千賀を強力打線が援護して鮮やかな逆転勝ち。首位をがっちりキープした。

 柳田らしい、節目の一振りだった。3回1死一塁。今井の内角低め直球をフルスイングですくい上げた。白球はもう少しでスタンドインとなる右翼フェンスの上部に直撃。当たりが良すぎて単打となる豪快な一打で、史上306人目の通算1000安打を決めた。

 スタンドから大きな祝福の拍手が起こり、一塁ベース上で記念ボードを掲げた。「プロ入りした時は1本打つことが目標で、まさかこんなに安打を打てるとは。よくこんな打ててるなと思う」。記念球は試合中にカバンにしまい、5回は二塁打、8回も内野安打。9戦連続の安打、今季6度目の3安打猛打賞で一気に1002安打だ。

 昨年のこの時期は左膝裏肉離れのために筑後にいた。守備も十分にこなせていない段階だった。それでも「(代打など)打つだけでもいい」と1軍首脳陣の意向が伝えられたことがあったが、柳田は「今のままではチームに迷惑がかかる」と口にしたという。主軸としての高い意識と、走攻守の全てが万全であるべきという野球選手としての美学からに違いない。

 示してきた規格外のパフォーマンスは、周囲の期待のハードルをどんどん上げていく。それに応えられない歯がゆい思い。「昨年なんてクソでしょ。これだけの期待をしてもらっているのに。アーモンドアイの気持ちが分かる」。昨年末の有馬記念で断トツの1番人気でありながらも、9着に沈んだ競走馬に自身を例えた。柳田らしいユニークな表現だったが、表情は真剣だった。

 だからこそ「全試合出場」を公言する。今季から7年の長期契約を結んだ。ファンからの、球団からの期待に応えるために、万全でグラウンドに立ち続ける。出続ければ結果は残る。それだけの努力を重ねてきたからこそ控えめとも思える目標を掲げ、これまで以上にコンディション管理にも気を配るようにもなった。

 2011年の入団時。「入れたことで、結構満足してた感じもありました」。そこから心身ともに大きく変貌を遂げながら、通算3割2分1厘の高打率で1000本の安打を積み上げた。現在の打率は3割8分3厘。出塁率は驚異の5割超えだ。「集中して内容のある打席が多いかなとは思う」。充実一途の主砲はこれからも期待に応え続ける決意だ。

 ただ数字への興味はなさそうだ。2000安打の質問にも「無理でしょ」と即答。この日一番の笑みを見せたのは、6回の一塁からの全力疾走後。勝利を決定づける7点目のホームに生還した時だった。自身の節目の一打より、チームの首位キープに貢献した瞬間に喜びを表す姿がまたギータらしかった。 (山田孝人)

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