投入直前に「FWできる?」登場2分でゴール 福岡の長身DFと監督の関係

西日本スポーツ 向吉 三郎

 ◆明治安田生命J2第8節 福岡1-1愛媛(29日、ベスト電器スタジアム)

 長谷部采配ズバリ! アビスパ福岡がホームで愛媛に1-1で引き分けた。連勝は3で止まったが、4試合連続負けなしで勝ち点14の3位に浮上した。長谷部茂利監督(49)がDF登録の三国ケネディエブス(20)を後半途中、城後に代えてFWとして投入。今季初出場の三国は直後に自身のJ初ゴールとなる同点弾を決めた。首位のV・ファーレン長崎はアウェーで山口に2-1で競り勝ち、3連勝で勝ち点22。ギラヴァンツ北九州はホームで徳島に2-0で快勝し、2連勝で勝ち点13として5位に浮上した。

 知将の采配に長身DFが応えた。1点を先制された後、長谷部監督は投入直前に三国に尋ねた。「FWできるか?」「できます」。昨年7月6日の岐阜戦から約1年、28試合もリーグ戦出場から遠ざかっていた20歳は即答。後半35分、城後に代わってFWの位置に立つとベスト電器スタジアムからどよめきが起きた。

 “即席FW”はすぐに結果を出した。登場の2分後、右CKに強烈なヘディングで合わせてJ初ゴール。「絶対に決めたいと思っていた」。ガッツポーズをしながら両膝でピッチに滑り込んで喜んだ。

 後半32分に4試合ぶりの失点で先制され、苦しい展開となった。前半にファンマが城後と交代。セットプレーで絶対的に勝てるFWはいない。そこで長谷部監督の脳裏に浮かんだのが身長192センチの三国のFW起用。「私はプランがあったら選手に伝えるタイプ。そういう意味で(起用は試合中の)インスピレーションだったのかも」。そう話す長谷部監督も練習で三国の特長は十分に分かっていた。

 「彼はヘディングが強い。高さでは負けない。引き分けもない」。三国は得点後も前線でロングボールを相手と競り合い、ボールを収める役割に徹してFWとしての適性を見せた。

 公式戦では青森山田高を優勝に導いた2018年度全国高校選手権の準決勝、尚志高(福島)戦以来の得点。同選手権直後に福岡に合流し、開幕戦から当時のペッキア監督にセンターバック(CB)として起用されたが、監督が代わると出場機会を失った。「悔しかった。今年こそという気持ちで練習に取り組んだ」。その姿を長谷部監督も見ていた。

 勝ち点1をゲットし、チームを3位に浮上させる三国のFW起用について「今後ももちろん選択肢の一つ」と長谷部監督は言い切った。ただ指揮官は「彼はCBの選手です」とも強調した。三国も「CBで出られるようにいつでも準備している」と力を込める。

 試合前にはチームスタッフに新型コロナウイルスのPCR検査で陽性反応が出て練習スケジュールの変更を余儀なくされた。苦しいゲームでもチーム一丸となって勝ち点1を拾った。長谷部アビスパがまた一つ強くなった。 (向吉三郎)

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