豪雨に揺れた球児最後の夏 復旧支え合った中学同窓が「感謝」胸に対戦

西日本スポーツ 小林 稔子

 熊本県南部を襲った豪雨で被災した同県人吉市の球児が、最後の夏を迎えている。31日に同県八代市で行われる独自大会の城南地区大会では、人吉二中でチームメートだった6人が在籍する球磨工と人吉が対戦予定。級友の自宅の復旧作業を手伝うなど6人は、コロナ禍と災害に揺れた3年の夏を笑顔で終えようと試合に臨む。

 6人は球磨工の三宅毅(18)、福嶋優貴(18)、布見謙成(17)と、人吉の森下大輝(18)、簔毛(みのも)裕司(17)、原口聖動(18)。豪雨でうち5人の自宅が被害を受けた。

 4日朝、濁流が三宅の家の中に押し寄せた。三宅は泣く妹を2階に避難させ、家具や野球道具も運んだ。1階は天井付近まで浸水。ボートで救助された。翌日から部員や保護者ら最大約20人が片付けに来た。「感謝しかない」と三宅。布見も被災した自宅を片付け「少しでも役に立てば」と手伝いに励んだ。原口宅でも簔毛らが11日間、手伝った。「すごく助かった。家族だけでは無理だった」。父昌幸さん(42)は感謝する。

 コロナ禍で夏の甲子園と地方大会が中止。県の独自大会を開催予定が、豪雨で三つの地区大会に縮小された。球磨工4番の福嶋は「家族が苦しんでいる時にこのまま野球をやっていていいのか」と葛藤した。球磨工は昨春の熊本大会で優勝。初の甲子園優勝を目指したが、3年生の夢は絶たれた。それでも今は野球ができる喜びをかみしめている。人吉戦に向け、三宅は「互いに弱点や手の内を知っている。成長した自分を見せたい」と前を向く。

 三宅と今も自主練習を共にする森下も球磨工戦に向け「野球ができることに感謝している」と語った。 (小林稔子)

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