J2福岡、寝耳に水の陽性疑いで試合前ミーティングから選手隔離 福岡スポーツ界にコロナ禍

西日本スポーツ 末継 智章

 ◆明治安田生命J2第9節 大宮-福岡(2日・NACK5スタジアム大宮)=中止

 Jリーグは2日、J2アビスパ福岡の選手1人に新型コロナウイルス感染の疑いがあるため、同日にNACK5スタジアム大宮で開催予定だった大宮-福岡戦を急きょ中止した。陽性が確定すれば九州のJリーグクラブに所属する選手では初の感染確認になる。同じ福岡を拠点とするプロ野球の福岡ソフトバンクが1日に長谷川勇也外野手(35)の感染を発表し、2日の公式戦が中止になったばかり。国内感染者は増え続けており、公式戦を再開させてきたプロ野球界とJリーグの双方が緊迫している。

 J2上位対決のキックオフまで2時間を切った午後5時すぎだった。5時のスタジアム開場時刻になっても門は開かず、やきもきしていた大宮サポーターに突如中止が伝えられた。約1時間後にJリーグもアビスパの選手1人に新型コロナウイルス感染の疑いがあるためと中止の理由を発表。アビスパの川森敬史社長らとオンラインで会見したJリーグの村井満チェアマンは「観戦される多くの皆さまは既に到着されていた。ご迷惑をお掛けし、Jリーグを代表しておわびします」と頭を下げた。

 Jリーグは2週間に1回、選手らを対象に公式検査を行っており、直近では7月31日に検体を採取し、8月4日に結果が出る予定だった。ところがJ1サガン鳥栖の選手1人が7月31日に発熱し、J2町田の選手1人も別の検査で1日に陽性が判明したため、Jリーグは検査機関に2日に試合があるJ2クラブの結果を急ぐように要請。福岡の選手に陽性の可能性が非常に高いという判定が出た。

 該当選手に自覚症状はなく、2日の体温も36・2度だったという。アビスパにJリーグから連絡が入ったのも午後4時で、寝耳に水の出来事。試合前に宿舎で行うミーティングから外したが、村井チェアマンは「陽性とするとチーム内で濃厚接触の可能性が否定できないので中止とした」と説明した。

 7月26日に陽性が判明したスタッフとの濃厚接触はなく、川森社長は「自治体から注意を促されるような行動はなかった」と説明。チームはさいたま市の保健所から指示が出るまで当面待機する。アビスパ側も今後の見通しはつかめず、3日に福岡で行う予定の練習に影響が出るのは必至だ。

 さらに濃厚接触と認定された選手は一定期間自宅待機となり、試合に出場できない。Jリーグは濃厚接触などに当たらない選手が14人以上いないと試合を開催できないと定めている。中止が続けば全42試合を消化できず、4戦連続負けなしで7月29日の試合後には3位につけていた好調なチームのJ1昇格(2位以内)が厳しくなる。

 Jリーグは3月から日本野球機構(NPB)と対策連絡会議を開き、情報を共有した上で感染防止に努めながら6月下旬にリーグを再開した。それでもJ1名古屋で複数の感染者が確認され、7月26日の広島戦が延期になったばかり。村井チェアマンは「選手個々がしっかり対応しているが、注意を高めていかないといけない」と危機感を募らせ、迅速に結果が出る別の検査も併用する可能性を示した。 (末継智章)

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