甲子園出場経験がない「福高」が逆転サヨナラで夏の王者に 九州大志望の背番号13が代打でプロ注目の剛腕沈める

西日本スポーツ 前田 泰子

 高校野球の独自大会「がんばれ福岡2020」の福岡地区大会は3日、福岡市のペイペイドームで決勝があり、福岡が福岡大大濠に延長11回タイブレークの末、4-3で逆転サヨナラ勝ちした。

 プロ注目の右腕を擁する強敵に2度もリードを奪われながら、絶対に諦めなかった。1917年創立の伝統校ながら、春夏を通じて甲子園出場がない福岡が福岡地区の頂点に立った。私立の強豪福岡大大濠から劇的な逆転サヨナラ勝ちだ。

 「小、中、高と野球をやってきてサヨナラを決めたのは初めて」。背番号13の大堂優輝(3年)が声を弾ませた。無死一、二塁から始まるタイブレークに突入した延長10回に1点差を追い付き、同11回は2点差を追い付いてなお1死満塁。ここで代打で送り出された。

 最速153キロを誇る超大型右腕の山下舜平大(同)を相手に回し、九州大進学を希望している大堂の打球は中犠飛。三塁走者が生還すると、歓喜の輪ができた。高校で野球をやめることを決めているが、最後の夏を最高の形で終えた。

 1年前のリベンジを見事に果たした。昨夏の福岡大会3回戦では2点リードの9回に3点を奪われて逆転サヨナラ負け。スコアはこの日と反対の3-4だった。エース緒方駿介(同)は「(昨年のエース)轡水さんから『頑張れよ』と連絡をもらった」と明かす。

 緒方は先輩の言葉も力に変え、165球の完投勝利。球速は自己最速の129キロをマーク。スライダー、チェンジアップで内外角を丁寧に攻め、13三振を奪った右腕は「最高の終わり方。しっかり楽しめた。今日は120点」と声を弾ませた。

 コロナ禍で夏の甲子園が中止となり、福岡での代替大会も当初は行われないと発表された。ほとんどが国立大進学を目ざす進学校だけに、3年生は一時引退も考えた。その後、代替大会の開催が決まり、優勝を目指して再び結束した。

 予選リーグでは昨夏代表の筑陽学園を破って勢いに乗った。大堂は「コロナで休校になった期間もそれぞれがしっかり練習してきた。それが実った結果だと思います」と大堂は胸を張った。

 福高の底力を見せつけての頂点。「自粛期間から3年生は苦しい思いを乗り越えてきた。最後の舞台で悔いなく自分たちの野球ができた」。小森裕造監督の視線の先では、ナインの誇らしげな笑顔が輝いていた。 (前田泰子)

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