代打の今夏初ヒットで延長13回サヨナラV 選手と監督つないだSNS

西日本スポーツ 前田 泰子

 全国高校野球選手権佐賀大会の代替となる独自大会「SAGA2020 SSP杯佐賀県高校スポーツ大会」野球競技の決勝は4日、佐賀市のみどりの森県営球場であり、龍谷が延長13回、サヨナラ勝ちで敬徳を破り優勝した。タイブレークにもつれ込む接戦となったが、7-7で迎えた13回裏に代打で出場した中島旭教(3年)が左前へ勝ち越しの適時打を放ち優勝を決めた。敬徳は2000年の全国高校選手権佐賀大会以来となる夏の決勝で粘りを見せたが、力尽きた。

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 4時間を超える大接戦にピリオドを打ったのは、タイブレークでの延長13回裏無死満塁、龍谷の代打中島だった。追い込まれてから左前へ勝ち越し適時打を放った。徳山誠一朗監督が「身体能力が高く、大事な場面のために取っておいた」と信頼する代打の切り札。この夏の初打席にもかかわらず、見事に期待に応え「全く緊張しなかった。おいしい場面だなと思いました」と喜びがあふれた。

 互いに一歩も譲らないシーソーゲームとなった。7-7のまま延長に入り、12回までお互い追加点が奪えず、大会規定で13回からタイブレークに突入した。無死一、二塁の場面から13回表を無失点でしのぎ、その裏に勝利を決めた。終わってみれば両チーム合わせて30安打の打撃戦。3度リードされたがそのたびに追いつく粘り強さを発揮。昨秋の九州大会につながる県大会初戦で敗退したチームが「びっくりするぐらい成長を見せてくれた。誇らしく思う」と徳山監督は選手をたたえた。

 新型コロナウイルスの影響で4月21日から休校になり、練習が再開されたのは5月中旬だった。約1カ月、全体練習ができないかわりに学校が活用する「クラッシー」という教育ソフトの会員制交流サイト(SNS)を使って徳山監督が自らの経験やポジションの話など野球の「座学」を実施。選手から感想や質問を受けつけてコミュニケーションを取った。

 練習再開直後に甲子園大会が中止となり、全体の士気が下がる時期もあった。そこで徳山監督が「代わりの大会が開催されたら優勝して優勝記念のTシャツを作ろう」と選手に提案。「記念Tシャツ」がモチベーションを上げるきっかけの一つとなり、独自大会開催が決まると再びチームのムードが上昇。森悠人主将(3年)も「3年生一人一人と話をして頑張ることができた」とチームをまとめてきた。

 エース田中遼我(3年)は「この大会で仲間の大切さを知った。SSP杯は多分1度きり。優勝できて良かった」と言う。最初で最後の王者龍谷。甲子園はなくても記念のTシャツとともに、この夏の思い出は全員の心にずっと残っていく。

(前田泰子)

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