屈辱の8番降格もバレンティン復活の兆し 「予言」していた平石コーチ

西日本スポーツ 長浜 幸治

 ◆楽天7-6ソフトバンク(4日、楽天生命パーク宮城)

 来日10年目で初の8番降格を味わった「シーズン60発男」が意地を見せた。2点リードの2回、先頭のバレンティンが弓削の高めに浮いたカーブを完璧に捉えた。左中間最深部のスタンドに飛び込む8号ソロは7月28日の西武戦以来となる自身4試合ぶりの本塁打。「コロナショック」に揺れるチームを鼓舞するかのようなアーチだった。

 「きょうは打撃練習の時から感覚が良かった。ゲームでそのまま結果が出てくれて良かった」。ヤクルト時代の2013年にシーズン60本塁打を放ち、プロ野球記録を49年ぶりに更新したレジェンド。11、12年に7番を打った経験はあるものの、8番は日本球界で初の屈辱だった。悔しさを言葉に出すことはなかったが、燃えないはずがなかった。6回には左前打を放ち、7月14日のオリックス戦以来、今季9度目のマルチ安打もマークした。

 打率1割台と苦しみながらも下を向くことはなかった。36歳の誕生日だった7月2日、自身のインスタグラムを更新した。20年前の2000年、米マリナーズとプロ契約を交わしたことを振り返り、ここまでの道のりに感謝の思いをつづった。試合前のティー打撃ではスイングの最後にバットから両手を離し放り投げる練習を行うなど試行錯誤を繰り返している。

 レジェンドがプライドをかなぐり捨てて復調を目指す姿に、平石打撃兼野手総合コーチは「復活」を予言していた。「すごくいいバランスで(バットが)振れていた。最近は長打をほしがって体を大きく動かしすぎていた。彼はそこまでしなくても飛ばせるバッター。リラックスしてやってくれれば」。バレンティンも「平石コーチにも感じが良かったと言われていたからね」と期待に応えられたことを喜んだ。

 新型コロナウイルスの感染者が相次ぐ未曽有の事態に襲われたチームは、首位攻防初戦で痛い逆転負けを喫した。経験したことのない苦境の中、復調の気配を漂わせる大砲がチームの光となる。 (長浜幸治)

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