ソフトバンク上林の鮮烈アーチに漂う予感 工藤監督1番起用に根拠

西日本スポーツ 山田 孝人

 ◆楽天7-4ソフトバンク(7日、楽天生命パーク宮城)

 まだ明るい杜(もり)の都の空に、特大の放物線を描いた。今季4度目の1番起用だった上林が、則本昂が直球を3球続けたところを仕留めた。内角寄りの147キロを完璧に捉えた打球は、右翼席最上段後方の壁を直撃。いきなりのド派手な一発に、敵地は静まりかえった。

 通算4本目となる2年ぶりの初回先頭打者アーチは、7月17日のオリックス戦以来の5号ソロ。「先頭として出塁しようと思っていた。最高の結果になった」。相手エースに見舞った推定飛距離135メートルの先制パンチ。盛り上がるベンチで照れくさそうに笑った。

 逆転されて、4点を追いかけていた9回にも意地を示した。1死二塁で、抑えのブセニッツから中前適時打。「1打席目から積極的にいってくれと送り出したが、最高の結果が出た。これを続けてほしい」と工藤監督も評価する2安打2打点だ。マルチ安打は、前回本塁打を放った際の3安打猛打賞以来だ。

■指揮官「これを続けて」

 7月後半から26打席連続無安打も経験。この日は4試合ぶりのスタメンだった。前日の6日の楽天戦では、8回に甲斐の代打で空振り三振。ただ懸命にもがく姿に工藤監督は上向きの兆しを感じ取っていた。「打席の中でしっかり振れていた」。この機を逃さずに「何とか復調してもらいたい」と、より一層思い切りよくスイングをさせる思惑もこめた1番での起用でもあった。

 負傷も影響して、打率1割台に沈んだ昨年は考え過ぎてしまう部分もあった。だからこそ今季は状態にかかわらず「余計なことを考えず、しっかりとタイミングをとって振るだけ」と、思考はぶれないように心掛けている。技術的な努力が実を結んだのはもちろんだが、工藤監督の狙いと自身の姿勢も合致。そうして生まれた復調を予感させる迷いのない一振りが、痛恨の黒星の中で光った。 (山田孝人)

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