ボクシング五輪代表「良かったと言える日が」/トップアスリートが高校生の質問に答えます

西日本スポーツ

 ボクシング男子ライト級で2大会連続の五輪代表が決まった成松大介(30)=自衛隊=が、熊本農高ボクシング部の後輩たちにエールを送った。トップアスリートが母校の高校生の質問に答える本紙の特別企画。高校日本一を争う三大大会の全てがなくなった高校3年生に成松が掛けた言葉は。

 高校3年生が最大の目標にしていた全国高校総体(インターハイ)は予定通りなら7月下旬に競技がスタートするはずだったが、新型コロナウイルスの感染拡大の懸念から4月に中止が決まった。ボクシング競技も今月19日から岩手県釜石市で始まる予定だった。成松の母校で高校ボクシング界の強豪、熊本農高の選手たちも大きな目標を失い、戸惑っていた。

 岩﨑選手「例年であれば、(熊本)県高校総体を競技生活の区切りとする3年生選手が多いのですが、県高校総体も中止となり、3年生が引退する時期もあいまいになってしまいました。さらに、全国選抜大会、インターハイ、国体の高校生三大全国大会全ての中止が決定しています。もし、高校生であったら、この現実をどう受け止め、どう切り替えますか」

 「当時の私はボクシングに打ち込んでいたとはいえ、競技も精神面もかなり未熟でしたので『試合がなくてラッキー、バイト探してお金を稼ごう!』と思っていたに違いないと思います。

 ですが、ボクシングで大学に進学したいと思っている人は、スパーや練習動画を撮って先生経由で行きたい大学の監督に動画を送ってもらって売り込むのはどうですか?

 高校でボクシングを終える人は、次の自分の目標に向かって切り替えて努力していくのが最善かと思います。今は試練と思って、将来の自分が『あの時、腐らずに頑張って良かった』と言える日が来るように前向きに考えて、日々を過ごしてほしいと思います」

 成松もボクシング人生を懸けて準備を進めてきた東京五輪が1年延期になり、先の見えない日々の中でトレーニングに打ち込んでいる。

 中村選手「東京五輪が延期になりましたが、この決定でのモチベーションの変化はありますか? この大会を競技の集大成にするとお聞きしていたので、他の選手とは違った受け止め方をされているのではないかと思ってお聞きしました」

 「アジア・オセアニア予選(3月)が終了してから脚のコンディションが悪かったので今年、五輪があったら満足のいく準備ができずに迎えていたでしょう。ですから1年延期になってラッキーと思いました。モチベーションはあまり変化ありません」

 中野選手「競技を通じて一番うれしかった経験と、一番良くなかった経験を教えてください」

 「うれしかった経験はいくつかありますが、五輪出場や大学へ行けたこと、いろいろな人との出会い、海外へたくさん行けたこと、たくさんの人に応援してもらっていることなど、挙げたらキリがないほどです。

 反対に一番良くなかった経験は、打たれると脳にダメージを受けることです。試合じゃなくても練習で打たれても、もちろんダメージを受けます。ですから日々の練習でも、どうにかパンチをもらわないよう常に工夫してください。打ち合うことも必要な場面はたまにはあると思いますが、常に打ち合い上等の選手は将来心配です。

 もう一つ良くなかった経験は、高校時代、楽しい思い出がほぼないということです。経験と言っていいかわかりませんが、ボクシングに打ち込んでいたので友達と遊ばなかったんです。久しぶりに高校時代の友達と会っても昔話が全くできません(笑)。しかし、そうした犠牲を払って今があるので、ある意味良かったかなと思っています」

 

 

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