昨秋ベンチ外の選手が1試合だけの聖地で輝く 3年生トリオが零封リレーの創成館

西日本スポーツ 前田 泰子

 ◆2020年甲子園高校野球交流大会 創成館4-0平田(11日、甲子園)

 第2日は創成館(長崎)と明豊(大分)の九州勢2チームが登場し、創成館は平田(島根)に快勝。エース白水巧、坂口英幸、前田泰志(いずれも3年)の完封リレーと無失策の守備で守り勝った。

 春に流した涙が夏の勝利につながった。創成館が3投手のリレーで完封。「1点勝負と思っていたが、継投がはまって最高の試合ができました」と稙田龍生監督も笑顔だった。選抜大会の中止が決まりグラウンドで涙に暮れてから5カ月後、念願の甲子園で校歌を歌うことができた。

 3投手のリレーで、21世紀枠により選抜大会に選ばれていた平田打線を3安打に抑えた。先発したエース白水が5回を2安打無失点でつなぐと、2番手のサイド右腕の坂口が3回を無安打に抑え、「アンカー」の前田は最終回を4人で終わらせた。昨秋の県予選、九州大会と無失策だった野手陣は、最後も無失策で投手をもり立てた。

 昨秋はベンチ外だった坂口と前田が最後の舞台で輝いた。みんなに連れてきてもらった甲子園で「恩返し」の投球だった。「観客がいなかったけど、緊張しなかったから良かった」と笑う前田と「無安打だったけど四球が残念だった」と少し不満げな坂口。「坂口は満を持して最高の投球を最後にしてくれた」と稙田監督は大舞台で見せた坂口の好投を喜んだ。

 1年から試合で登板してきた坂口は、このチームのエース候補と期待されていたが、昨夏に右肩を痛めた。投球ができるようになったのは今春から。メンバー復帰を目指していた時にコロナ禍で選抜大会は中止となり、学校も休校になり寮も閉鎖された。「落ち込んだけど、最後の大会はあると信じて頑張りました」と福岡市の実家に帰り近所の友達と体を動かした。夏の大会まで中止になり、何度も心が折れそうになったが、地道に練習を続けて甲子園のベンチ入りをつかんだ。「ベンチに入れない人の分まで頑張ろうと思った」と最後の舞台で花開いた。

 この夏は独自大会から甲子園まで3年生だけで戦った。コロナ禍で苦しみながらも有終の試合を見せてくれた3年生。先輩の背中を見てきた下級生が今度は来春の甲子園を目指す。(前田泰子)

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